A.B.C-Z、“変わりゆく時代”を旅した新体制初ツアー 屋良朝幸登場などサプライズ連続の東京公演
A.B.C-Zが、新アルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』を携えて5都市をまわるホールツアー『A.B.C-Z Concert Tour 2024 F.O.R』を開催中。9月29日の東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)昼公演では、さまざまなサプライズがファンに届けられた。
昨年12月22日から、橋本良亮・戸塚祥太・五関晃一・塚田僚一の4人体制となったA.B.C-Z。4人体制初のシングル曲「君じゃなきゃだめなんだ」、そして8月21日にリリースしたアルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』(以下『F.O.R』)では、MVに昭和から平成の古きよき歌番組のムードを散りばめていたが、ライブでもそれが引き継がれていた。
ド派手なヒョウ柄のスーツで登場した4人は、グループ名をあしらった大きな電飾看板に色とりどりの紙吹雪が舞うカラフルなムードの中、「君じゃなきゃだめなんだ」でライブの幕を開けた。前半は新アルバム『F.O.R』の楽曲を中心に構成されたが、「I-MI-JI」では五関・戸塚の足を椅子に見立てて座り「遊ぼうぜ」とセリフを決めて橋本がキング感で圧倒すると、「Jigsaw」ではMVの世界観をそのまま生で再現するなど、“新生A.B.C-Z”を印象付けた。
その中でファンを驚かせたのが、塚田のソロ「Stay Back」だ。コミカルな塚田のイメージを覆すロックテイストのこの曲は、彼が得意とするアクロバットが取り入れられた振付が見どころとなるのだが、ツアー中に腰を痛めてしまった塚田には9月23日の熊本公演からパフォーマンスに制限がかけられ、「上半身だけめっちゃ踊っている」状態だという。そんな中、この日の公演にはなんと「Stay Back」の演出・振付を手掛けた朋友・屋良朝幸がダンスブレイクパートにサプライズで登場。塚田とシンメとなりシンクロしたダンスを見せて会場をザワつかせた。トークパートに改めて登場した屋良は、「『Stay Back』は、僕が事務所から独立して一発目の振付で、後輩のステージに立つのも一発目」だという。「カッコいいイメージでソロをやるのが初だし、新体制になったし、屋良くんもひとりでやっている人だから振付をお願いしたかった」という塚田に、屋良は「ケガでアクロバットができなくなったと聞いて、ミュージカルの稽古を休みにしてもらって出させてもらった」と、自らの男気での参加であることを明かすと、「でも来てみたら、踊ってるじゃん! 上半身だけじゃない!」といって会場を笑わせ、メンバーたちと「こうなったら『Guys PLAYZONE』やる?」と、2011年の『PLAYZONE'11 SONG & DANC'N.』で共演した懐かしの曲を引き合いに出してファンを喜ばせた。メンバーの10代を知っている屋良は、「みんな大人の色気が出た。いい年の重ね方をしている」と今のA.B.C-Zを讃え、一人ひとりとハグをしてステージから去っていった。
塚田以外の3人のソロ曲も、ライブでさらにその世界観が際立ち、各人の個性が爆発。戸塚のソロ曲「月に行くね、光の連続」は、リアルサウンドのインタビュー(※1)でも語ってくれたように、コンテンポラリーダンスが華に。ステージに裸足で現れた戸塚がダンスとポエトリーリーディングのような歌で魅せた。五関はバラード曲「リマレンス」で伸びのある歌声を届け、ダンスブレイクでは映像とシンクロした美しいダンスで会場をくぎ付けにした。橋本のソロ曲「浮遊」では、ステージが白一色の世界に。素肌に白のデニムジャケットを羽織った橋本が上着をはだけると、会場から「キャー」という声が。まるで雲の上にいるような浮遊感が漂う中、ベッドの上でセクシーなパフォーマンスを見せてくれた。
新アルバム『F.O.R』以外の懐かしの楽曲をメドレーでギュギュっと詰め込んだセクションも。「InaZuma☆Venus」は、会場のファンも一緒に踊って盛り上がった。メンバー4人が客席に降りて通路を歩きながら歌う曲も設けられ、1階席だけでなく、2階、3階にまでメンバーが登場。こんなにファンの近くで歌うことができるのも、A.B.C-Zとファンの絆があってのことだ。この信頼は、五関から出された「ペンライト芸」の宿題をやり遂げた「宇宙旅行」でもしっかりと発揮された。
MCパートでは、グループのYouTubeチャンネルで「おもしろい!」と話題となった、五関の「緊急で動画を回しています」パロディでのグッズ紹介コーナーも。またこの日のMCでは、11月27日にニューシングル『ヒリヒリさせて』をリリース、9月30日に再録配信EP『from Z to ABC -I-』リリースと、11月16日17時30分より本ツアーがU-NEXTで配信されることがサプライズで発表されファンを喜ばせた。
『from Z to ABC -I-』は、過去の楽曲を新体制で再レコーディングした5曲入りデジタルEP。「メンバーが今、ファンに届けたい楽曲」を選んだという。「fragrance」を推した橋本は「みんなの気持ちわかってるんで」と言って、大きな拍手を集めた。
新シングル曲「ヒリヒリさせて」は、作詞を森浩美、作曲を馬飼野康二、編曲を星野靖彦、振付をTAKAHIROが手がけるダンスナンバー。「攻めてる」というTAKAHIROの振付の稽古風景が公開されたが、そこには橋本がアクロバットに挑む姿があり、「今の時代にこうきたかと、いい意味で裏切りがある」という塚田の言葉に期待が高まった。