back number、Official髭男dism、BUMP OF CHICKEN……国民的アーティスト集結、豪華すぎる今期ドラマ主題歌

back number「新しい恋人達に」(『海のはじまり』)

7月期月9ドラマ『海のはじまり』 本編映像PR(60秒版)

 幾多もの名作を世に届けてきた不動のドラマ枠「月9」では、2022年の大ヒットドラマ『silent』チームによる完全オリジナル作品『海のはじまり』(いずれもフジテレビ系)が放送中。『silent』でもメインキャストを務めたSnow Man 目黒蓮をはじめ、有村架純、泉谷星奈、木戸大聖、古川琴音、池松壮亮、大竹しのぶといった豪華なメンバーが集まった本作のテーマは“親子の愛”。登場人物それぞれを取り巻く親子関係と愛の形が丁寧な筆致で描かれている。そんな『海のはじまり』の主題歌はback numberの「新しい恋人達に」。作詞作曲を務める清水依与吏(Vo/Gt)が脚本を読み込んで書き下ろした本楽曲は、壮麗なストリングスと無骨なバンドサウンドが調和するback numberらしいドラマチックな楽曲に仕上がっている。そんな『海のはじまり』と「新しい恋人達に」の繋がりを最も如実に感じ取れるのは歌詞だ。1番の〈光が閉じるように/会えない人がまた増えても〉というフレーズからは、目黒演じる月岡夏が大学時代に交際していたかつての恋人である南雲水季の死をイメージさせる。そして〈なにかひとつ/渡せるものが見つけられたら〉というサビのフレーズには、夏と水季の間に生まれた娘である海に対する夏からの想いを感じ取ることができる。どれほど深い関係であってもいつかは訪れる別離と、それでも誰かと繋がり続けたいと願う人間の性が示されたこの2つのフレーズは、『海のはじまり』とback numberというコラボレーションでしか生まれ得なかったものだ。

BUMP OF CHICKEN「strawberry」(『西園寺さんは家事をしない』)

主演・松本若菜×松村北斗!! 7/9(火)スタート『西園寺さんは家事をしない』【TBS】

 火曜夜10時から放送中の『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)は、ゴールデン/プライム帯の連続ドラマでは初主演となる松本若菜が演じる仕事熱心な西園寺一妃と、SixTONESとしての活動だけでなく『夜明けのすべて』『ディア・ファミリー』といった映画での演技も好評を博している松村北斗が演じるどこか変わり者なシングルファーザーの楠見俊直、そしてその娘であるルカの3人が“偽家族”として暮らす中で家族の在り方を見つめ直すハートフルラブコメディ。主題歌はBUMP OF CHICKENの「strawberry」。BUMP OF CHICKENは詩的なイメージが強いロックバンドであり、『西園寺さんは家事をしない』というポップでコミカルな作品とのタイアップは一見すると新鮮に映る。そんな「strawberry」が示しているのは家族愛だ。第1話のラストシーンで西園寺は楠見に対し、誰かの自己犠牲ではなく、一人ひとりが支え合い、補い合いながらそれぞれの人生を生きることで家族という共同体は営まれるのではないかと説く。そんな家族とは何か、という問いかけに対し、藤原基央(Vo/Gt)の「ひとりにしないで」という歌声がひとつの解答のように響く。デビュー以来様々な形でBUMP OF CHICKENが紡いできた“愛”というテーマが「strawberry」においてもしっかりと根付いているのだ。

ゆず「伏線回収」(『南くんが恋人!?』)

『南くんが恋人!?』主題歌入り15秒PR / ゆず『伏線回収』

 7月16日夜9時から放送スタートとなる『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)は、これまでも4度にわたって連続ドラマとなった内田春菊の人気漫画『南くんの恋人』を原案としつつも大胆にアレンジ。これまでの作品では、堀切ちよみが15センチの手のひらサイズになっていたが、本作では南くんこと南浩之が手のひらサイズに。男女の関係性が逆転することでこれまでの作品とはひと味違った見応えを覚える作品になりそうだ。そんな『南くんが恋人!?』の主題歌はゆずの「伏線回収」。ゆずと言えば「夏色」をはじめこれまでも様々な夏ソングを作り続けてきたが、今作は令和版サマーチューンといった味わい。ゆずらしい底抜けな明るさとポップネスが『南くんが恋人!?』の舞台である湘南海岸の景色にもマッチする。「伏線回収」というタイトルは、主題歌オファーの前からあったものとゆず 北川悠仁はコメント(※1)しているが、『南くんが恋人!?』でどんな“伏線回収”を見せてくれるだろう。

 ここまで7月期のドラマとその主題歌をピックアップしてきたが、どの主題歌も国民的と称されるアーティストたちが自身の音楽的特性をしっかりと楽曲に注ぎ込みつつも、各作品と真摯に向き合うことでその世界観と添い遂げたクリエイティビティのある楽曲となっていることが印象深い。今夏はドラマとともに各アーティストの主題歌をじっくりと味わい、各作品をより深く掘り下げてみてはいかがだろうか。

※1:https://yuzu-official.com/contents/756816

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