稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾、今だから話せる“激ヤバ”話も 2024年上半期最後の『ななにー』振り返り

稲垣吾郎の冷静さと香取慎吾のクレバーさが浮き彫りになった尾行エピソードも

 また、冒頭で記したように香取が「言っていいんですか!?」と言わずにはいられなかったのは、ドラマ『VIVANT』(TBS系)の監修を務めたことでも知られる勝丸円覚氏が語った元公安警察のエピソードだ。

 2002年、FIFAワールドカップの開催中に国際テロ組織・アルカイダによって新幹線の爆破計画があるという情報を入手した公安警察は、都内のとあるマンションを捜索。部屋に踏み込んだところ爆薬が発見され、テロを未然に防ぐことに成功したのだそう。

 まるでドラマのような展開が現実にあることにも驚かされるが、そうした情報がバラエティ番組で披露されることも意外に感じた。こうした生々しい話が長年伏せられてきた印象があるのは、香取だけではないはず。勝丸氏曰く、テロやスパイの手口を広く知らせることで、一般の人からの通報につながるようにと「時代が変わってきている」のだという。

 そんな“今だから話せる”エピソードといえば、彼らも負けてはいない。公安警察による尾行話を聞いた香取は「(週刊誌に)尾行されるよね、うちらもね」と切り出すと、稲垣が「すごく上手な方もいれば、わかりやすい人もいる」と続けて笑いを誘う。

 「しょっちゅう僕らも追われてきたもんね」と言う稲垣は、尾行に使われる車について「たまに外車とか高級車も最近ありますよね」と振り返る。すると、その手法は「まさかあんな車で?」という油断を誘う目的で実際に使われるのだそう。稲垣の鋭い視線は「やっぱり向こうも人間なんで、その気配みたいなもの、焦りみたいなものは100m後ろの車でも伝わる時はありますよね」と冷静に分析する。

 そんな稲垣の言葉に「ある!」と共感した香取は、「一回、海外に何人かで行って。空港を降りて、みんな浮かれてるわけ。そしたらかなり遠くで(写真を)撮ってる人に僕だけ気づいて……」と、過去に経験した尾行話を披露。

 カメラに気がつかない仲間たちがワイワイしているその場を香取だけ離れ、サッと記者のもとに行き「本当勘弁してください」「まず名刺ください」「本当お願いします」と頼み込んだというのだ。

 一旦は納得して退散したと思われたのだが、夕方にショッピングモールに出かけると、またもやその記者が張りついていることに気がついた香取。再び記者のもとへと向かい「言ったでしょ! ちゃんと僕は話に来たんです」「本当に勘弁してください」と頼み込む。その熱意に押される形で「そうだね……ゆっくりしてください!」と記者はカメラを持つ手を下ろし、記事になることもなかったようだ。

 どんなシビアな話題を取り扱ったあとにも周囲を平和な気持ちにさせてくれる草彅の存在感、そしてゲストのトークに紐づけて“今だから話せる”話をクールに語る稲垣と、アイドルとは思えない対応力でドラマチックなエピソードを披露する香取。そんな彼らだからこそ、「激ヤバ」と言われる裏社会を伝えるコンテンツであっても安心して楽しめるように思う。これからもその絶妙なバランス感覚で、私たちのまだ見知らない世界を新しい地図として広げていってほしい。

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