Mrs. GREEN APPLEとYOSHIKIは8DAYS、稲葉浩志は6DAYS……立て続く同会場での連続公演
一般的に音楽のライブと言えば、全国各地を巡るツアー形式や、同じ会場で1~3日間程度にわたって開催される形式のイメージがあるが、中には特殊なものもある。例えば同じ会場で長期にわたって開催される、まるで演劇公演のような形態。アメリカ・ラスベガスでは大物ミュージシャンがこの形式でライブを行うことが多く、“レジデンシー公演”と呼称され、一般的にも認知されている。
L'Arc~en~Cielのhydeが、VAMPSやソロ名義(HYDE)で“籠城ライブ”と銘打って同じライブハウスを舞台に連続公演を行うことが独自のライブスタイルとして定着していたが、日本ではまだまだ珍しいこの形式。しかし今年、立て続けに日本で国内アーティストによる複数日程にわたる連続公演が開催予定となっている。本稿ではそれらを紹介しつつ、どんな公演が繰り広げられるのか想像を巡らせてみようと思う。
稲葉浩志(B'z)はZepp Haneda (TOKYO)を舞台にした合計6日間の公演『Koshi Inaba LIVE 2024 ~en-Zepp~』を6月に開催予定だ。稲葉がこの形式でライブを行うのは、品川プリンスホテル ステラボールで開催した『Koshi Inaba LIVE 2014 ~en-ball~』以来10年ぶり2度目。日ごとにセットリストも一部変更し、その日ならではのパフォーマンスが行われる予定となっている。
10年前のライブでは、ソロアルバムの楽曲を中心に披露し、少人数の観客と密に自身の音楽を共有し合うパフォーマンスを繰り広げていた稲葉。「ジミーの朝」は稲葉がアコースティックギターを弾いての歌唱で披露されるなど、ここでしか観ることのできないアプローチが多かった。今回のレジデンシー公演でもB’zのライブで見せるロックスター的な佇まいとは異なる、自由度の高い、多彩な稲葉の表現を目撃できるはずだ。
X JAPANのYOSHIKIは、ディナーショーという形で頻繁に連続公演を行っている稀有なミュージシャンだ。今年で10周年を迎え、これまでに合計75公演を行ってきたこのディナーショー。今年7月にグランドハイアット東京 グランド ボールルームにて開催される『EVENING / BREAKFAST with YOSHIKI 2024 in TOKYO JAPAN』は8日間にわたり、朝と夜で合わせて13公演が行われる予定だ。
ディナーショーではピアノ演奏やドラムパフォーマンスを近距離で堪能することができ、またYOSHIKIプロデュースのフルコース料理やファッションショー、バレエダンサーとのコラボレーションなど、多岐にわたるプログラムが行われる予定。独自の活動を行い、多方面で評価されるYOSHIKIにとって、限られたファンとだからこそ分かち合える世界観を表現できる場として、ディナーショーはライフワークとなっているのだろう。