PSYCHIC FEVER、初のアジアツアーはとにかく熱いものに EP『PSYCHIC FILE II』を語る

 2024年1月リリースの「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」(EP『99.9 Psychic Radio』収録)が、アジア圏のみならずアメリカを含めヒット中のダンス&ボーカルグループ、PSYCHIC FEVER。この春も国内外の複数の大型フェスを賑わせ、グローバルに注目を集める中でEP『PSYCHIC FILE II』を4月3日にリリースした。5月にスタートする初のアジアツアー『PSYCHIC FEVER ASIA TOUR 2024 “HEAT”』を見据えて制作したという収録曲の話を中心に、その音楽性やパフォーマンスをどう捉えているか、剣、中西椋雅、WEESAの3人に話を聞いた。(古知屋ジュン)

「THE HEAT」はPSYCHIC FEVERの“流れ”が現れたリリック

WEESA

――「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」の反響がグローバルなものになって、Spotifyでもリスナー数が飛躍的に伸びていますね。ご本人たち的にはどんな手応えを感じていますか?

WEESA:ありがたいです。でも「Just Like Dat」は僕たち発信というよりは、ファンの方がいろんな形で切り抜き動画をTikTokなどで上げて話題にしてくれた結果、いろんな国で注目されたんですよ。自分たちで言うのもおかしいですけど「バズらせていただいた」みたいな感じです。

――だとすると、活動拠点の一つであるタイなどアジア圏はもちろん、アメリカで注目されるようになったというのは予想外の事態だったんですか?

WEESA:僕たち自身は結成当初から世界のいろんな国で活動していきたかったので、もちろんそこは狙いではあったんですけれども。まさか「Just Like Dat」が、ヒップホップが文化として根づいたアメリカでもたくさんの方に聴かれることになるというのは予想もしていなかったので、すごく嬉しい出来事でした。

中西椋雅(以下、中西):Spotifyのリスナー数をよくチェックしているんですけど、今朝見たら70万人(取材時)って表示されていて、テンション上がりました。

――注目度が高まっている中、皆さんがどういう作品、楽曲を出してくるのか気になっている方も多いと思います。今回の『PSYCHIC FILE II』は、2023年リリースの『PSYCHIC FILE I』の続編的な作品なんですか?

中西:『PSYCHIC FILE』はメンバーでつけたタイトルなんですけど、ジャンルレスな楽曲を詰め合わせたシリーズなんですよ。後々、X(10)、XX(20)、XXX(30)……と出せるくらい、バラエティ豊かな楽曲をコレクションしていきたいというコンセプトのもとで制作しています。今回も結構幅広いカラーの楽曲にトライしているんですが、いろんな国でパフォーマンスさせていただく中で「こういう曲が欲しいよね」とか「こういう曲があればもっとライブが盛り上がるかな」とみんなで話し合ってきた楽曲も含まれているので、5月から始まるアジアツアーを見据えた作品とも言えます。

――1曲目がそのアジアツアーのキックオフソング「THE HEAT」ですね。

剣:もうリリースイベントでも披露しているんですけど、この曲に関してはまさにタイトル通り、心の内側からヒートアップする、熱くさせるようなパワーがあって、ライブでも一体感が生まれやすい曲だと思っています。ライブを重ねてどういう曲になっていくのか、かなり楽しみです。

中西:勢いで押すよりも徐々に熱くなるような楽曲にしたいという思いがあったので、振り付けもガッツリ踊るというよりは、そのポイントごとに印象的なパフォーマンスができたらいいなと思いつつ、ツアーに向けて試行錯誤している感じですね。

――ラップ担当の方々が活躍する〈Kyodai Go sign〉からのブロックが気になっていたんですけど、〈運命決めるの全部俺〉の担当は誰ですか?

WEESA:剣くんです!

――剣さんはグループの“取締役?”ポジションですもんね。

剣:“取締役”は大きなことを言う係なので、そうなりますよね(笑)。これまでの作品でもそうだったんですけど、僕は楽曲ごとの決定打的なリリックを担当して、ストレートに物を言う役割なのかなと思っていて。メンバーごとにカラーが全然違っていて、メロディアスに聴かせる人もいれば、ユニークな例えを繰り出す人もいるんですけど、歌詞カードを手元にいただいたときに「ここ俺だろうな」と思いましたもん。

中西椋雅

――アジアツアーに出て行く皆さんの勢いがリリックにも凝縮されていると思うんですが、作詞はおなじみのELIONEさんですね。

剣:ELIONEさんは僕らのたくさんの楽曲に関わってくださっていて、僕たちがタイで活動している時期やプライベートでも接する機会が多かったので、リリックを書くにあたっても僕らの心境をすごく汲み取ってくださっていると思います。EPには入っていないけど、「Just Like Dat」だったり、今の僕たちの“流れ”みたいなものが感じられるリリック、楽曲になっているんじゃないかと思います。

――この中で唯一のボーカル担当のWEESAさんから見た「THE HEAT」はどんな曲ですか?

WEESA:今回はタイで録った音源もあったり、曲ごとにレコーディングの環境が毎回違っていたんですよ。いろんな刺激を受けながらレコーディングしてきたので、いろんな表情を感じていただけるんじゃないかなと思います。「THE HEAT」については、最初からあまりテンションを上げきらずに、曲が展開するごとに熱が上がっていくような世界観をどう表現していくのかが課題で、それには結構悩んだ記憶があります。

――“ツアーのキックオフソング=勢いのある曲”というよりも、スタイリッシュな感じがしましたが、EP全体にクールでスタイリッシュな雰囲気が漂ってますよね。

剣:まさにそれを狙っていて。「Just Like Dat」はY2Kテイストのヒップホップ感がすごく強かったと思うんです。このEPはJ-POPの良さだったり、タイで制作した「FIRE feat. SPRITE」や「BEE-PO」みたいな海外の方にも伝わりやすいエッセンスを入れつつも、「Just Like Dat」では見られなかったような僕らの一面を出せた、『PSYCHIC FILE』のシリーズにふさわしい1枚になったかなと思っています。「Love Fire」とかも直球っぽいタイトルですけどスタイリッシュですし、「Pinky Swear」にも爽やかに聴こえるけど一筋縄じゃいかないニュアンスが詰まっていて、「中身ちょっと濃くない?」みたいな楽曲が詰まってます。

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