中国の国民的スター チャン・ユーハン、初来日公演への思い 東京の思い出は「アルバイトをしていました」

 韓国・ソウル出身で、1984年の歌手デビュー以来、中国本土だけでなく香港やマカオ、台湾、アメリカと幅広い地域で活躍する中国の国民的アーティスト チャン・ユーハン。彼が今年、自身初の来日公演を10月8日に東京ガーデンシアターで開催することが決定した。同公演は、チャン・ユーハンが2013年から取り組んでいるツアー『人生的路(人生の道)』の一環として行われる。日本での公演を経て、マレーシアやシンガポール、オーストラリア、アメリカでの公演も予定されているという。

 そんな初の来日公演を記念した記者会見が5月15日、東京・表参道で行われ、チャン・ユーハンが自ら来日公演にかける思いや東京にまつわる思い出などをたっぷりと語った。

チャン・ユーハン

 まずは司会者より、『人生的路(人生の道)』ツアーでこれまでに回った地域と今後の開催予定について質問があると、チャン・ユーハンは2023年9月から2024年3月にかけて中国本土にあるマカオや天津、深圳などで公演を行ってきたことを紹介。そして、「これからは中国本土だけでなく、日本を経て、マレーシアやシンガポール、オーストラリア、アメリカでも公演を行いたい」「2年間で30~40回の公演ができるようにしたい」と、これからの活動に対する意気込みを語った。

 ツアータイトルに込めた思いについては、チャン・ユーハンはまず、「今回の公演は物語性を感じてほしいと思っている」とコメント。そして、公演内容は彼のこれまでの人生をすべて詰め込んで構成したことを明かし、「2時間の公演で、私のこれまでの40年間を表現したい。そういう思いがあって『人生的路(人生の道)』というツアータイトルに決めました」「笑いもあれば、悲しみもあるし、感動も、愛情も、たくさんの感情が詰まった公演になっています」と語った。

 公演開催地として東京を選んだ理由については、「東京は夢を叶える場所だと思っている」と語り始めたチャン・ユーハン。彼は歌手としてデビューする2年ほど前の1982年に初来日し、3カ月ほど日本に暮らしていた経験があるといい、「(上野で)アルバイトをしていました」「3カ月ですが、ここに思い出や青春がすべて詰まっているんです。なので、東京をコンサート開催地に選びました」と、自身の人生を振り返りながらしみじみと言葉を紡いでいく。そして、「東京は、誰もが『夢を叶えたい』と目標を持って訪れる場所。世界で唯一の場所だと思っています」「そんな東京で公演をすることは、私の夢の1つでした」「かれこれ日本には100回以上来ていて、日本のことがとっても好き」「(10月の公演を)すごくすごく楽しみにしています」と、笑顔を見せながら、東京でコンサートを開催することへの思いを打ち明けた。

 公演当日はセットリストにも工夫を加えているそうで、一部の楽曲では、チャン・ユーハンが初めて日本に来た頃を再現すべく、1980年代の上野や池袋、大久保などの様子をバックモニターに移しながら歌う予定だという。また、長渕剛「乾杯」など、日本のファンに親しまれている楽曲も歌う予定で、チャン・ユーハンは「中国の歌を日本語に訳して歌ったりもします。日本語を使った楽曲を何曲披露するのかは、まだ秘密で」と、茶目っ気たっぷりにコメントした。

 記者会見に駆けつけた報道陣からも様々な質問が飛び交った。まず、記者より、日本で好きな場所や食べ物について問われると、チャン・ユーハンは「千葉と北海道が好き。ゴルフが好きなので(笑)」とコメント。そして、日本に来ると必ずうどんやラーメン、蕎麦を食べるといい、「しゃぶしゃぶ、すき焼き、焼き鳥、焼肉……」と好きな日本食を日本語で羅列していく。食べ物について話している際のチャン・ユーハンはとても楽しそうで、その姿を見ていた会場からは笑い声が沸き起こっていた。

 また、今回の公演を7,000名規模の会場で開催する理由について尋ねられると、チャン・ユーハンは「実は来日公演はずっとやりたかった」と、これまでの経緯の説明を始める。「以前から来日公演を計画していたが、コロナ禍で実現できなかった。ようやく実現できるタイミングになって、日本の会場を予約するのがなかなか難しかった。今回は7,000名の会場ですが、本当はもっと大勢のファンの前で公演したいという夢があります。来年は武道館で開催できたらと思っています」と、今後日本で実現したい夢についても熱く語った。

 最後に、チャン・ユーハンは、日本のファンに向けた言葉をあたたかな声色で語りかけた。「日本は思い出の地です」と語り始めた彼は、「(日本で)いろいろな経験をしてきました。もうすぐここで公演できるということに、感動の気持ちでいっぱいです」「(公演では)日本で得た経験をお届けしたい思っています。2時間の公演の中で、40年分の思い出を届けるので、ぜひ来ていただけたら。皆さんにお会いできるのをとても楽しみにしています」とファンへの思いを語り、記者会見を終えた。

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