aiko『相思相愛』レビュー:劇場版『名探偵コナン』主題歌が大反響、歌詞表現で光る巧みな手腕
特徴的な歌詞については、今作のカップリング曲でも目を見張るものがあり、aikoの作詞センスが随所に発揮されている。川島可能が編曲を担当した「まさか夢」では、〈言わないほうが良かった話の尾びれは/家に着いたら揚げるよ〉というユニークな表現が登場。冗談めかした言い回しによって、曲から親しみやすい柔らかな雰囲気が伝わる。一転してトオミヨウがアレンジした「あなたは優しい」は、〈急ぎ足な心臓が毛布を求めて二度寝して〉という一節が面白い。斬新な表現だが、「なんか分かる気がする」という絶妙なところを突いてくる。
歌声はデビューから25年経った今でも衰え知らず。それどころか、最近の作品は聴き手の情緒に訴えかける独特の哀愁を帯びてきているように思う。「相思相愛」における〈見てるだけで〉などに代表されるようなか細い声の使い方は、否が応でも胸を掴まれるものがある。
またaikoと言えば、パワフルでエネルギッシュなライブを展開することでも知られている。今作は比較的ゆったりめの曲だが、aiko作品はアッパーなロックチューンも多く、ステージ上ではアグレッシブな楽曲をこれでもかというくらいに立て続けに繰り出していく。aikoはそうした楽曲たちを、一切疲れを見せずに、縦横無尽に舞台を駆け回りながらパフォーマンスする。観ているだけでも元気をもらえるライブだ。本作の初回限定盤には、特典として昨年NHKホールで開催した『Love Like Pop vol.23』のライブ映像が収録。一枚のシングル作品から、ソングライティングやサウンド面、ライブパフォーマンスに至るまでトータルパッケージで楽しめる。aikoの持つさまざま魅力をぜひこの一枚で味わってほしい。
aiko、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』主題歌「相思相愛」MVプレミア公開 ティザー映像も
aikoが5月8日にリリースする45枚目のシングル『相思相愛』より、表題曲のMVが本日4月15日20時よりプレミア公開。MV本編…
aiko「相思相愛」は『名探偵コナン』の“ラブコメ”を象徴する曲に 歴代主題歌で描かれた登場人物の恋模様
アニメ『名探偵コナン』の劇場最新作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が公開。同作の主題歌をaikoが担当している。歴代の映画…