UNISON SQUARE GARDEN、パワフルに10年前の“最高”を更新 『Catcher In The Spy』リバイバルツアーを観て
ここからはラストスパート。セッションを経てイントロ、斎藤の「天国と地獄!」というタイトルコール、歌……という流れも至極である。ここでテンションが上がらない人はいない、とすら思えてくる。そのまま演奏を途切れさせることなく「カラクリカルカレ」、「桜のあと(all quartets lead to the?)」とノンストップで駆け抜けていく。そして「東京、またね!」と告げて「crazy birthday」。ステージを縦横無尽に動き回り、コーラスに間に合うようにマイクにダッシュしている田淵は、翌日が誕生日。ブリッジ部分、客席からの〈happy birthday〉という声は彼へのお祝いになったはずだ。「最後はこの曲!」という振りで始まったラストナンバーは「場違いハミングバード」。アウトロで歓声を浴びる斎藤、パッションを出し切るかのごとく暴れまわる田淵、テクニックだけでなく表情でも魅せる鈴木。最後の最後までUNISON SQUARE GARDENらしいライブを見せてくれた。
もちろん、客席からはアンコールが巻き起こる。その声を聞いてすぐさまステージに戻ってくる3人。この無駄のなさにも痺れる。全身全霊を出し切った本編終了後の3人からは疲労感も漂っていたが、「instant EGOIST」でアンコールが始まる。ブリッジで「23:25」の一節が入る部分では、演奏の途中で動きを止めて“ストップモーション”。鈴木はドラムに倒れ込み、斎藤はドラム台の上でギターを弾く形、田淵は両足を広げて仰け反るポーズでたっぷり止まると、再び演奏をスタートさせて観客のボルテージはマックスに。さらに「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」で大暴れ。田淵はマイクを床に置き、寝転びながら演奏とコーラスをして会場を沸かせた。ラストは「23:25」。会場も明転し、メンバーも観客も晴れやかな笑顔でユニゾンの音を楽しみ、ライブに幕を下ろした。
20周年の結成日、7月24日にはバンド初のベストアルバムのリリース、同日に日本武道館のライブ、さらに9月からはベストアルバムを携えた全国ツアーが大阪城ホールより開催される彼ら。今が最高で最強。いつだってそう思わせてくれるUNISON SQUARE GARDENというロックバンドは、まだまだ多くの人を魅了していく。
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