Sundae May Club、音楽と向き合う誠実な姿勢 初の東京ワンマンで作り上げたピースフルな空間

 ライブ後半には、この日初めての新曲「しとろんの週末」も披露された。浦はこの曲について「過去にしがみつく人の歌。でも、それは悪いことじゃないと思う。戻りたくなるくらいの過去があることは素敵なことだと思う」というふうに語っていた。本編で演奏した「春」という曲を、当たり前のようにアンコールでも披露したところもよかった。まだレパートリーが少ないからという理由だけかもしれないが、ひとつのライブで同じ曲を2回やってはいけないなんていう決まりは、どこにもない。

 MCで浦は友達が少なかったという学生時代を振り返りながら、遂に見つけた「一生付き合っていける友達」がSundae May Clubであると語った。そして今、この空間にいるあなたも、もうすでに私の友達なのだ、と。友達を見つけ、友達と遊ぶこと。バンドをやることに、あるいは生きることに、これ以上の理由なんてもしかしたらいらないのかもしれない、と彼女の話を聞きながら少し思う。

 本編の最後に演奏された「夜を延ばして」という名曲では、曲のはじまりのカウントを、会場に集まったみんなで一緒に声を合わせてやった。コール&レスポンスや壮大な合唱ではなく、曲のはじまりのカウントをバンドと聴き手で一緒に叫ぶというアイデアが最高だ。実際に声を発した人も、心の中で叫んだ人もいただろう。みんなでカウントを叫んだ瞬間。それはまるで、「これから一緒にいっぱい遊んで、いっぱい生きていこうぜ」と約束を交わし合っているようだった。

■ライブ情報
『ラッキー・チャーミー・ツアー』
5月10日(金)@新代田FEVER(東京)
w/TEAM SHACHI
チケットソールドアウト

6月16日(日)@梅田Shangri-La(大阪)
w/後藤まりこアコースティック
チケット発売中
http://eplus.jp/smc/

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