日食なつこ、画面越しにも伝わる熱気 今後のライブがさらに楽しみになった『談話室』を振り返る

日食なつこ『談話室』を振り返る

 未発表曲の「エイチ」(字は「叡智」だろうか?)がカッコいい。ここ最近のリリースでは久しくなかったスリリングで踊れるロックであり、イントロのフレーズから鷲掴みされる。「真夜中に火がついちゃって 迸るままに吠えている」という冒頭のリリックも日食なつこらしく、彼女が鍵盤で弾く左手のフレーズと仲俣のベースが織り成す低音も気持ちいい。この曲を聴くだけで『エリア未来』への期待が膨らんだリスナーは多いのではないだろうか。また、この配信ライブではこの曲の後に「宇宙友泳」の告知を挟んでいたが、「エイチ」から火花を散らすようなアンサンブルを聴かせる「√-1」へと繋げる構成は、来年以降の通常のツアーでも是非聴きたいと思う(そして「√-1」はアウトロのギターがカッコよすぎる)。

日食なつことバンドメンバー

日食なつことバンドメンバー

 最後は「このメンツで今一番やりたい曲」だという「ログマロープ」である。2023年の『M-1グランプリ2023』のテーマソングに選ばれたことで再び脚光を浴びるようになった曲であり、この4人の力強い演奏にはこうした曲が映えるという気持ちもあるのではないだろうか。最初から最後まで聴き手(と自分自身)を焚き付けるような熱量の高い言葉を吐き続ける、燃えているところにさらにガソリンを注ぐような歌である。画面越しにも熱気が伝わってくるような演奏で、今後もふとした時に見返したいライブであった。

日食なつこ

 さて、「ログマロープ」をはじめいくつかの既存曲が話題になる中、今年の1月には新曲「appetite」がドラマ『こんなところで裏切り飯』の主題歌としてオンエアされるなど、楽曲が新旧問わず新たなリスナーへとアプローチしている印象の日食なつこである。5月から始まる『エリア未来』のツアーもすべてソールドアウトするなど、15周年を迎えてますます脂が乗っている時期を迎えていると言えるだろう。『エリア未来』、『エリア不変』、『エリア現在』とそれぞれ趣向の違うライブ/ツアーでどんな景色が見れるのか、今から楽しみに待ちたい。

■リリース情報
『日食なつこ 15th Anniversary BEST -Fly-by2024-』
発売日:2024年9月頃
※詳細後日発表

日食なつこ楽曲総選挙2024:https://nisshoku-natsuko.com/form/

■ツアー情報
『日食なつこ15th Anniversary -宇宙友泳- ベストアルバムリリースツアー「エリア現在」』

スケジュール:
2024年11月4日(月祝) 新潟 新潟県民会館 小ホール
2024年11月17日(日) 仙台 日立システムズホール仙台 シアターホール
2024年11月22日(金) 広島 JMSアステールプラザ 中ホール
2024年11月23日(土) 大阪 松下IMPホール
2024年11月30日(土) 名古屋 中日ホール
2024年12月6日(金) 高松 サンポートホール高松 第1小ホール
2024年12月14日(土) 札幌 札幌共済ホール
2024年12月21日(土) 福岡 電気ビル みらいホール
2025年1月10日(金) 東京 TOKYO DOME CITY HALL

チケット料金:
全席指定 6,900円
※ドリンク代別途必要
※学割あり(1,000円OFF)

■関連リンク
デジタル配信:https://orcd.co/nisshoku
公式HP:https://nisshoku-natsuko.com/
X(旧Twitter):https://x.com/nsn58
Instagram:https://www.instagram.com/nisshokunatsuko_official/

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