椎名へきるはこれからもファンと一緒に歩んでいく ハーモニーを奏で続けた30年記念作品&ライブインタビュー
「デジジャケ」は聴きたいとき・観たいときにスマホやパソコンを開けば楽しめる
――また、今回のアルバムはNFTをキーにしたデジジャケという新しいデジタル商品としても発売されますが、最初に企画のお話を聞いたとき、どんな印象を受けましたか?
椎名:最初はどういうものか想像しづらかったのですが、実際にサンプルを見せていただいて素敵だなと思いました。デジジャケはスマホやPCで見ることができるのですが、デジタルブックレットを見ていても紙のブックレットよりも鮮明なんですね。写真にぼわっとした感じがなくて、すごくクリアな印象だったので、「こんなに綺麗なんだ」という驚きがありました。奥行き感もありますし。あとは当然写真も大きいですよね。CDサイズよりももっと大きい世界観で見られるのでダイナミクスさが違うと思います。
――大きなPCモニターで見たら、より大きなへきるさんの写真が楽しめるわけですね。
椎名:たしかに、すごくアップで見られますね。それはそれでドキドキしちゃうので、そんなに見ないでほしいなとは思いますけど(笑)。
――しかもそのジャケットや歌詞カードを見ながら楽曲を聴くこともできるという。
椎名:すごいですよね。歌詞カードを見ながら楽曲も聴けるし、歌詞も写真も見られる。最近はCDを買わなくなっている方もいますし、紙ものを集める習慣も前より少なくなってきているじゃないですか。デジジャケであればスペースの邪魔にならないですし、聴きたいとき・観たいときにスマホやパソコンを開けば楽しむことができる。私は昭和世代なので実物がないと不安なところもあったのですが、実際に触ってみたら「たしかにこれはいいよね!」と思いました(笑)。
――なおかつ今回のカバーアルバムのデジジャケ版には、特典として撮りおろしのデジタルフォトブックが付いているらしいですね。なんでも「千夜一夜物語」的なイメージの写真になっているというお話ですが……?
椎名:それは私が完成したものを見て勝手に名付けたイメージです(笑)。CDジャケットはジャンヌ・ダルクのような“戦う女神”のイメージで作ったのですが、フォトブックは「千夜一夜物語」っぽいファンタジックな雰囲気を醸し出していて、それぞれ全然違う世界観の衣装や写真になっています。そのコントラストの違いも楽しんでいただけると思いますし、フォトブックの写真はちょっとだけセクシーかもしれません。見る方によっては色気も何も感じないかもしれないですけど(笑)。
――そこは見てのお楽しみということですね(笑)。しかもデジジャケ版は部数限定で、“椎名(しいな)”に合わせて417部限定でNFTのシリアルナンバーが入る仕様なのだとか。
椎名:そうなんですよ。きっと皆さん417番を狙われると思うのですが(笑)、それは1/417のレアということで、無くならないうちにぜひお買い求めいただければと思います。
日本青年館ホールはライブの楽しさに気づいた原点の場所
――7月27日には30周年記念ライブ『HEKIRU SHIINA 30th ANNIVERSARY LIVE ~HARMONY STAR~』の開催も決定しています。会場の日本青年館ホールは、へきるさんが初めてホールライブを行った特別な場所になりますね。
椎名:それ以前にもライブハウスツアーの経験はあって、初めてのソロライブはShibuya eggman(1995年3月29日)だったのですが、そのときはカラオケで歌っていたので、歌を間違っても巻き戻してもう一回頭から歌うことができたんですね(笑)。初めてのホール公演だった日本青年館ホール(1995年5月6日)からは見せ方も変わって、バンドや舞台監督さんが入って、スタッフさんも一気に増えて、「どうしたらいいんだろう……」となってしまった部分があって。いまだにあのときの思い出は鮮明に残っているんです。当時の私は顔がまだ子供でぷっくりしていて、フグみたいな顔で歌っていたなと思うんですけど(笑)、でも、そんななかでライブというものの喜びを見出していたと思うんですね。ファンの方がいて、自分がいて、お互いが青春や情熱をぶつけ合える素敵な場所。喜びに満ち溢れていたライブだったと思うんです。それまでは人前に出て歌うことがすごく嫌で。
――そうだったんですか?
椎名:ライブをやらずに帰りたいと思うときもあって、車の後ろに隠れていたことも当時はありました(苦笑)。あれだけ多くの人が観に来る責任を背負いきれない自分がいて。「私なんか見ても楽しくないよ」と思っていましたし、まだふん切りが付いていない時期だったと思うんです。でも、当時の映像を観返すと、それを通り越した喜びを見出している自分がいて。それはライブだからこそ成り立っているみんなとの関係性を体全体で大いに感じ取っていたからだと思うんです。そこでライブに対する思いが目覚めて。
――それが今も続くライブシリーズ「STARTING LEGEND」に繋がっていったわけですね。そのライブの楽しさに気づいた原点の場所、日本青年館ホールで30周年ライブを行うことに、特別な思いもあるのではないでしょうか。
椎名:はい。あの頃の気持ちと変わらない部分はそこなんだと思っていて。自分がライブをやっていく理由、それは一番最初に感じた、ファンの方と直接同じ空間を共有できて、同じ喜びをお互いの力で作り出していく、その相乗効果を含めての素敵な場所があるから。そういうライブへの思いを思い出させてくれる場所で、もう一度みんなと一緒に歩んでいきたくて。きっと私の中で“第2の青春”がスタートしているんですね。あのときはみんな少年少女だったと思うのですが、今はみんな大人になって、いろいろな人生経験があったと思うので、お互いこれまで頑張ってきたことをねぎらいつつ、また同じ場所に集えること、思い出の楽曲を一緒に体感できるのはすごく素敵なことだと思うんです。あのときがあったから今の私たちがいるし、「ここからがまた私たちの青春だね」「大人なりの青春を楽しもうね」という思いを一緒に共有できたら私も嬉しいです。
――ちなみに今回のカバーアルバムのタイトルにもなっている「HARMONY STAR」という言葉には、どんな思いを込めたのでしょうか。
椎名:タイトルに関しては私が付けたわけではなくて、いくつか候補があるなかから選んだのですが、その候補を並べたときに「HARMONY STAR」のイニシャルが「H.S」(※椎名へきると同じイニシャル)ということに気付いたんです。そのときにこれは運命だと思って、満場一致でこのタイトルになりました。「STAR」は「へきる星」にも繋がりますし。
――そういえば(笑)。
椎名:ここに至るまで私はずっと音楽という星でハーモニーを奏で続けてきた――30周年ライブはそういう思いを感じていただけるようなセットリストになると思います。今回のアルバムに収録している15曲は確実に歌うので、私のライブが初めてという方もアルバムを聴けばライブの定番曲がわかると思いますし、非常に予習しやすいと思います(笑)。ぜひ足を運んでください。
■リリース情報
椎名へきるセルフカバーアルバム
『HARMONY STAR』
発売:5月8日(水)
【通常盤CD】 KICS-4146/4,950円(税込)
■椎名へきるセルフカバーアルバム『HARMONY STAR』デジジャケ【デジタルフォトブック付き】
「KING RECORDS digital」開設第一弾として、5月8日(水)より、椎名へきる初のセルフカバーアルバム『HARMONY STAR』のデジジャケをストア限定・数量限定で販売。
価格:6,500円(税込)
販売ページ
https://kingrecords-d.jp/special/shiinahekiru_hs
■関連リンク
椎名へきる公式サイト https://www.hekiru-shiina.jp/
椎名へきる公式X https://twitter.com/shiina_hekiru_