THE COLLECTORS、ロックンロールが復活したような夜 8年ぶりの日比谷野音公演

 全国8カ所を周ったTHE COLLECTORSのツアー『ロックンロール イースター 2024』。ツアーファイナルが4月14日に東京・日比谷野外大音楽堂にて行われた。

THE COLLECTORS

 昨年は東京・渋谷CLUB QUATTROにて、12カ月連続マンスリーライブを行っていたTHE COLLECTORS。オープニングには、そんな渋谷CLUB QUATTROの元店長・高橋'オペチ'功志が登場。「ライブが近づいたら電話に出ないようにしようと思っていたんだけど、うっかり出てしまって」と観客の笑いを誘いつつ、「ノビシロマックスなバンド、THE COLLECTORSです!」とバンドを呼び込み、古市コータロー(Gt)、山森“JEFF”正之(Ba)、古沢“cozi”岳之(Dr)がステージに姿を現した。沸き起こる拍手と歓声に「いいねー!」と笑みを浮かべながら、「ロックンロールバンド人生」のイントロを奏でる3人。続いて加藤ひさし(Vo)が登場し、〈ありきたりの日々を 特別な夜に変えよう〉という、開幕に相応しいこの曲でライブをスタートさせた。

 THE COLLECTORSが日比谷野音でライブを行うのは、2016年以来8年ぶり。それ以前にも何度か出演しており、最初に日比谷野音のステージに立ったのは、1988年のレコード会社主催のイベントだったという。4人は当時を振り返り、「(先頭の)A列しかお客さんがいなかった」と自嘲気味に語る。加藤は「良いものって最初はみんな分からないからね。時間が経ってからさ、凄かったって分かるものじゃん?」「まさに今、見てよ」と後方まで埋まった客席を見渡しながら、「お前ら最高だから」と感謝を告げ、客席からも大きな歓声が起きた。

 そう、どんなに良いものでも、最初から多くの人に見つかるわけではない。続けていく中で、少しずつその魅力に気づく人が増え、いつの日か大きな輪になっていく。THE COLLECTORSもそうだったのだろう。MCを聞いた後で、「Stay Cool! Stay Hip! Stay Young!」で多くの観客が体を揺らしている光景を見ると感慨深くなる。軽快な演奏で客席を躍らせた後、加藤はマイクスタンドを後ろに置き、ハンドマイクで「パレードを追いかけて」「たよれる男」を伸びやかに歌い上げた。

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