この春、アニメ作品の主題歌にコラボ楽曲の起用が相次いでいる。

　まずは、5月12日より放送開始となるテレビアニメ『「鬼滅の刃」柱稽古編』（フジテレビ系）。オープニング主題歌はMY FIRST STORY×HYDEの「夢幻」だ。ストーリーに合わせ、作中の産屋敷耀哉率いる鬼殺隊と鬼舞辻無惨、双方の意思をツインボーカルで表現したいという制作サイドの提案から、2組の起用が実現したという。楽曲の一部を使用した予告映像からも、HiroとHYDEによる力強いボーカルの掛け合いを聴くことができる。

　思い起こせば、MY FIRST STORYはHYDE率いるVAMPS主宰のイベント『HALLOWEEN PARTY 2015』に出演。2017年に行われたMY FIRST STORYの2マンツアーには、初日のゲストにVAMPSが出演した。さらに、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』のHYDEのステージにはHiroが登場し、「GLAMOROUS SKY」を一緒に歌唱したことも。MY FIRST STORYが音楽番組に出演した際にもHYDEとの交流について話すなど、以前から親交が深いことが分かる。

　Hiroは今回の主題歌に関して、「自分達の師でもあり、優しい先輩でもある、HYDEさんと一緒に歌う「夢幻」という曲が、この作品をより一層彩り、昇華させられたらという想いでいっぱいです」（※1）とコメントを寄せている。『鬼滅の刃』待望の新シリーズを、2組のコラボ楽曲がより熱く盛り上げてくれるだろう。

　アニメーション映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の主題歌を手掛けているのが、作中で声優も務めている幾田りらとano（あの）だ。3月22日に公開された前章の主題歌が「絶絶絶絶対聖域」（ano feat. 幾田りら）、5月24日公開の後章が「青春謳歌」（幾田りら feat. ano）となっている。

　2曲はどちらも3月20日に配信リリースされた。「絶絶絶絶対聖域」は作詞をあの、作曲をTK（凛として時雨）が担当。作品同様に終末観の漂う楽曲で、声質の異なる2人のボーカルが激しくぶつかり合うさまが爽快だ。ソロやYOASOBIでの伸びやかな歌声とはまた違う、幾田のデスボイスが聴けるのもポイントだろう。対して、幾田が作詞・作曲した「青春謳歌」は作中の登場人物たちの絆を表したような楽曲で、2人の優しい歌声が心地よい。どちらも、お互いの新たな魅力を引き出し合えているように思う。

　映画での共演があったらこそ実現した今回の2曲。3月18日に、2人で『しゃべくり007』（日本テレビ系）に出演した際には「まだ友達じゃない」と、現在は互いに少し距離があるように話していたが……。これを機に仲が深まればと、両者を今後も見守りたくなった。