リアルサウンド連載「From Editors」第52回:『成功したオタク』人を信じることは苦しいけど
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『成功したオタク』人を信じることは苦しいけど
日本での配給が決まった時からずっと公開を楽しみにしていました。韓国のドキュメンタリー映画『成功したオタク』は、“推し”が逮捕されたオ・セヨン監督が、同じような経験をした“オタク”に話を聞いていくというもの。罪を犯し“推し”が表舞台から退いた後、今も引き続き応援している人、厳しい言葉をかける人、タレントの贖罪を応援している人など、いろいろな人がいますが、共通しているのは「こんなことをする人だとは思わなかった」と話していること。“推し”は犯罪者になってしまったけれど、それでもかつて一生懸命応援していた楽しい時間があって、その美しい思い出を胸にしまって、大好きな芸能人が犯した罪と向き合っていく様子を明るく描いています。
今作は“推し活映画”ですが、「信じていた人が良い人ではなかった」という経験は“推し”がいてもいなくても経験したことがあるのではないでしょうか。そういった意味で普遍性がある映画だったと思います。
人を信じるということは、こちらが勝手に善人であることを期待しているだけなので、こんな苦しい思いをするならば最初から人を信じなければ良いだけの話です。それでも他人に対して愛着を持って人を信じて生きてしまうのは、何度裏切られたとしても他人を信じて尊敬していた時の楽しい思い出があるからなのかもしれません。
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