連載『lit!』第91回:TWS、RIIZE、(G)I-DLE、TWICE……新人からベテランまで、要注目のK-POP楽曲

 週替わり形式でさまざまなジャンルの作品をレコメンドしていく連載『lit!』。今回はK-POPをテーマにお届けする。

 2023年のK-POPシーンは、ベテラングループのカムバックから大型新人グループのデビューまで、本当にさまざまな話題が生まれたが、2024年に入ってからもすでに多彩なアーティストが魅力的な楽曲を発表し、シーンをにぎわせている。

 今回は2024年に入ってからリリースされた楽曲の中でも、特に今注目の5組をピックアップ。若手からベテランまで、今年のK-POPシーンで高い存在感を発揮するであろうグループの楽曲を紹介したい。

TWS「plot twist」

TWS (투어스) '첫 만남은 계획대로 되지 않아' Official MV

 まず紹介したいのが、2024年1月22日に1stミニアルバム『Sparkling Blue』でデビューを果たしたばかりの6人組ボーイズグループ TWSの楽曲だ。彼らはPLEDISエンターテインメントが約9年ぶりに送り出した新たなボーイズグループで、SEVENTEENの後輩にあたる。

 今回特に言及したいのが、1stミニアルバムのタイトル曲「plot twist」。2023年以降デビューしたボーイズグループの多くは、清涼感を全面に押し出したコンセプトを掲げて、フレッシュで爽やかな楽曲をリリースしており、「plot twist」もその流れを汲む一曲と言える。ただ、同じ清涼コンセプトといっても、TWSの場合は、楽曲の根底にSEVENTEENから受け継いだであろう底抜けの明るさとリスナーの耳を一発でとらえる洗練されたメロディを強く感じるのが特徴だ。ドラムとギター、シンセサイザーの音が気持ちよく調和したポップなサウンドとなっており、日本のリスナーにもかなり好まれる楽曲に仕上がっているように思う。

 TWSはすでに『ViVi 2024年4月号特別版』(講談社)の表紙を飾っているほか、3月2日に開催された『第38回 マイナビ東京ガールズコレクション2024 SPRING/SUMMER(TGC)』にも出演するなど、新人グループながら破竹の勢いで活躍の場を広げている。今年大いに注目したいボーイズグループだ。

RIIZE「Love 119」

RIIZE 라이즈 'Love 119' MV

 同じく新人ボーイズグループ RIIZEの楽曲も紹介したい。RIIZEはSMエンターテインメントから2023年9月にデビューを果たした7人組ボーイズグループ。

 彼らは2024年に入ってすぐ、1月5日に「Love 119」をリリースした。同楽曲は、刻むビートの中に軽やかなピアノの音とあたたかく爽やかなメンバーの歌声が響く、切なさと爽やかさ、甘酸っぱさが両立したラブソング。冬から春にかけて聴くのにピッタリな一曲となっている。

 楽曲が良いので思わず何度もリピートしてしまう引力があるのだが、実はこの曲、MVにも注目するとさらにおもしろい。意味深なモチーフが多数埋め込まれ、わずか4分15秒の映像にもかかわらず、1本のドラマを見たかのような満足感と考察の余地があるのだ。また、MVの撮影は日本でも行われたようで、じっくりと見ていると学校の校舎や電車、駅など、見慣れた風景がいくつも出てくる。ロケ地を想像しながら、MVに描かれた物語の続きに想いを馳せると、楽曲の世界観に深く浸れるかもしれない。1月に公開されたJapanese Ver.のMVと見比べても面白いだろう。

BABYMONSTER「Stuck In The Middle」

BABYMONSTER - 'Stuck In The Middle' M/V

 BLACKPINKの誕生以来、約7年ぶりに結成されたYGエンターテインメントのガールズグループ BABYMONSTER。2023年11月に1stデジタルシングル『BATTER UP』でデビューを果たした彼女たちは、それからわずか2カ月ほどで最新曲「Stuck In The Middle」をリリースした。

 この楽曲は、4月1日にリリース予定の1stミニアルバムから先行配信された一曲。デビュー曲「BATTER UP」は、YGエンターテインメントが得意とするストリート感あふれるHIPHOP曲でメンバーのクールな一面が際立っていたが、最新曲「Stuck In The Middle」はデビュー曲とは打って変わって、各メンバーの魅力的な歌声を堪能できるバラードとなっている。叙情的なピアノの旋律の中に響く、メンバーの芯がありながらもどこか儚げな歌声は多くのリスナーの心を掴み、公式YouTubeで公開されたMVの再生数はわずか1カ月で8500万回を超えた。今回の楽曲で高いポテンシャルを持つことを証明したBABYMONSTERは今年、さらに多彩な楽曲を発表して世界中を魅了するのではないだろうか。

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