WOLF HOWL HARMONY、歌割やダンスで魅せる新たな王道 今だから語れるデビュー前の苦悩も

WHH、新たな王道へ

「提案を採用していただけて、より自分の個性を発揮できた1曲」(GHEE)

――GHEEさんの聴きどころはやはり、2番の入りのラップパートでしょうか。

GHEE:はい。今までWOLFの楽曲ではメロラップをしてきたんですが、今回は自分がオーディション時期にしていたようなオーセンティックなラップをお届けしています。レコーディングはZEROさん(YVES&ADAMS)、T.Kuraさん、Chaki Zuluさんが立ち会ってくださっていたので、自分がバイブスや感情をリリックに凝縮しきれなくてはみ出ちゃった部分は、みなさんが「こっちのほうがいいんじゃない?」って導いてくださったんですけど。これまでのレコーディングと比べると、わりと自由にやらせていただいたなっていう印象がありますね。例えば〈もう 空のHeart shape box〉の〈もう〉のニュアンスは、自分なりに「“もう”で、一旦時間がストップしたようなフロウにしたいです」って提案したものを採用していただきましたし、より自分の個性を発揮できた1曲です。

――1サビ終わりからラップパートにかけては、MVだとダンスがメインになっていますよね。WOLF HOWL HARMONYのMVでありながら、ダンサーさんをフィーチャーしているところが興味深かったです。

GHEE:狙い通りです(笑)。このMVには『D.LEAGUE 22-23』のシーズンチャンピオンであるKADOKAWA DREAMSのみなさんに参加していただいているので、バックダンサーではなく、フィーチャリング感を強めに出したくて。そこは僕らの中でも特にお気に入りのシーンですね。

WOLF HOWL HARMONY / "Frozen Butterfly" Music Video

――「Frozen Butterfly」の振付の魅力についても教えてください。

GHEE:今回の振付は、KADOKAWA DREAMSのJURIKAさんとMINAMIさんを中心に、“歌って踊るWOLF HOWL HARMONY”を見せられる振りを作っていただきました。

RYOJI:振付を作る前に、僕たちが好きなダンスやアーティストを聞いてくださって、イメージを共有し合ったんです。その時にマイケル・ジャクソンやクリス・ブラウンといったアーティストを挙げたり、オールドスクールのノリが好きとか、R&B特有の“止め”や“溜め”が好きとか、アニメーションダンスのヒットの感じが好きっていうのをお伝えして。その上で作ってくださったので、ところどころにマイケル節を感じたり、サビの〈Frozen Butterfly〉で手を伸ばす動きにクリス・ブラウンを感じたりと、お伝えしたアイデアが散りばめられた振付になっています。

――KADOKAWA DREAMSのダンスの特徴も、今回のダンスには反映されているのでしょうか。

RYOJI:僕らは『D.LEAGUE』を毎回観させていただいているんですが、KADOKAWAさんは特にフォーメーションがすごくて! ライブでは4人だけで踊っているので、これはMVならではの見どころになるんですけど、ラスサビのカノン(少しずつずらしながら同じ振りを踊る)や、1つのチームを真ん中で2組に分けて同時に踊る部分などは、KADOKAWAさんらしいエッセンスだなと思います。みなさん毎日ダンスをされているからか、移動の距離感がバグってるんですよね。

HIROTO:魚の群れみたいだったよね!

――魚の群れ……?

RYOJI:魚の大群が右へ左へと大移動するように、ものすごい一体感と迫力を放ちながら、次から次へと機敏に移動していくんです(笑)。しかも、一人ひとりが半端じゃないテクニックを持っているので、その中で一緒に踊らせていただくというのは良い刺激になりました。

――また、現在TikTokでは「#FBChallenge」というハッシュタグで、「Frozen Butterfly」のBメロの振りを踊る企画が行われています。HIROTOさんはこの振りを踊ってみていかがですか?

HIROTO:僕もBメロの振りを教わった時は、すぐにそれっぽく真似して踊ってましたね。全然踊れてないのに(笑)。それくらい、つい真似したくなる中毒性のある振付だなって思います。

――Bメロを歌いながら踊るのは、なかなか大変そうですね。

HIROTO:そうそう。この振り、一見シンプルなんですけど、ちゃんと踊ってみると結構難しくて、踊り甲斐のある振りなんですよね。でもだからこそ、たくさんの方に踊っていただけているのかなと思いますし、まだ踊ったことのない方もぜひ挑戦してみてほしいです。

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「観客として味わった一体感を、次はアーティストとして作れたら」(HIROTO)

――カップリングの「You&I」(Lyric: YVES&ADAMS/Music: T.Kura・Chaki Zulu・JAY’ED)は、ライブでLOVEREDのみなさんと歌う姿が浮かぶ楽曲ですが、どういう経緯で誕生したのでしょうか。

GHEE:「You&I」は「Sweet Rain」(2023年8月リリースの1stシングル曲)よりも前からデモがあったんですよね。で、その時から「この曲はアゲ曲として仕上げたいね」「LOVEREDのみなさんと一緒に盛り上がる曲だね」って話していたんです。

SUZUKI:手札としてはありつつ、出すタイミングを見計らってたんだよね。

GHEE:そういう中でイベントライブに出演する機会が増えた結果、「ライブ映えする曲が欲しい」という気持ちが高まってきて。先に表題として決まっていた「Frozen Butterfly」もライブ映えする曲だし、「「You&I」を出すなら、今じゃない?」って話になりました。

RYOJI:この曲、トラックだけを聴いても面白いんですよね。サビからヴァースに入る部分に、ドリルビートっていうベースがめちゃくちゃ動き回るビートが入ってくるんですよ。

――ドリルはアメリカのシカゴ発祥のビートですよね。

RYOJI:そうなんですけど、「You&I」のトラックはアメリカのドリルとも違う気がするし、四つ打ちのJ-POP感もあるし、イギリスや北欧でヒットしているジャンルのようにも感じるし……という新感覚のサウンドに仕上がっているんです。なので、ただ盛り上がるだけでなく、音にも注目してもらえると、より深く楽曲を楽しめると思います。

――歌詞はリリースが決まってから、ZEROさんが書かれたんですか?

GHEE:はい。デモの段階ではタイトルも「You&I」じゃなかったですね。だけど「LOVEREDと僕らの歌だから『You&I』がいいんじゃないか」って、プロデューサー陣と話し合って決めて。LOVEREDのみなさんと大きな会場で歌える、讃美歌のような曲を目指して制作を進めました。

――頭サビのHIROTOさんのクリアな歌声がもう、聖なる光がパッと差し込んでくる様子を想起させますね。ご自身では特にどのフレーズに力を入れましたか?

HIROTO:〈上手くなんて歌えなくてもいい/ただ君の声を聞かせて〉というフレーズがあるんですけど、その一連の流れに注目してほしいですね。THE J-POPという感じのまっすぐな歌詞とメロディですし、ずっとJ-POPを聴いて育った僕としては、自分の持ち味が一番出せるパートじゃないかなって思ったので、すごくこだわって歌わせていただきました。以前、SHOKICHIさんの初のソロツアー『EXILE SHOKICHI LIVE TOUR 2019 UNDERDOGG』のファイナルを観させていただいたんですが、「The One」という楽曲で、SHOKICHIさんが会場のお客さんと一緒に手を振りながら歌っている光景が素晴らしくて! 観客としてあの一体感を味わったからこそ、次は僕がアーティストとしてリードすることで、素敵な空間を作れたらいいなと思っています。

――そして、サビ前の〈鳴り止まない 歓声の先〉という落ちメロを担当しているのは、なんとGHEEさん。ラップパートとのギャップが効いた繊細な歌い方で、ライブ前の高揚感やライブ後の余韻が伝わってきました。

GHEE:ありがとうございます!

RYOJI:落ちメロのところ、初めは1オクターブ下のキーで歌ってたんでしょ?

GHEE:そうなんですよ。その時はRYOJIくんとスーくん(SUZUKI)は先にレコーディングが終わってて、僕とHIROTOだけ現場にいたんですけど、Chaki ZuluさんとDARUMAさんが「海外のラッパーがよくやっている手法でやってみよう。オートチューンをかけて、1オクターブ上でウィスパーボイスで歌ってみて」っておっしゃって、挑戦することになったんです。その結果、もともとウィスパーが自分の得意な表現だったこともあって、良い感じになりました。

――SUZUKIさんとRYOJIさんはいかがですか?

SUZUKI:(食い気味に)僕が歌ってるところ全部、聴きどころです!

一同:あはははは!

SUZUKI:でも、今回レコーディングしてて、自分で「わあ、良いのが出た!」って感じたのは、2番の〈Nothing but a dream〉ですね。ニュアンスも理想通りだし、ピッチもいいんですけど、かといってただ正確な歌を歌ってるんじゃなくて。リズムがちょっとずれていたとしても、それが逆に良い味を出してる、みたいな。そういうマジでたまにしか出ない、自分的にバチっとハマったテイクが録れたんです。プロデューサーのみなさんにも「ずれてるところがあるけど、これは逆に直さないほうがいいね」って言っていただけて、満足のいく形で音源化できたので、聴きどころはそこですね。

RYOJI:僕は1サビを歌っているんですが、ライブではその後に続く〈You&I〉をお客さんに歌ってもらいたいので、レコーディングも、LOVEREDのみんなを掴んで引き上げるような……あるいは、地面から突き上げるような感覚で歌いました(笑)。ここはみんな、自分を奮い立たせて歌ってほしいですね。いつか単独ライブが実現した際には、コール&レスポンスの尺を長くして「もっと!」「もう1回!」って煽りたいと思います。

――では最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

RYOJI:すでに今作を聴いてくださっているLOVEREDのみなさんはもちろん、これから初めてWOLF HOWL HARMONYの音楽に触れる方にも、胸を張って「ぜひお楽しみください!」と言える、渾身の2ndシングルが完成しました。「Frozen Butterfly」は“歌って踊るWOLF HOWL HARMONY”を全面に押し出した作品なんですが、僕はこの形こそがWOLFだと思っているので、これを軸として、次はどういうカラーのWOLFを発信していくのかを楽しみにしていただきたいですね。まだデビューして半年ですし、2024年も始まったばかりなので、変わっていく僕らに期待してついてきてほしいなって思います。引き続き、応援よろしくお願いします!

※1:https://realsound.jp/2023/12/post-1506937.html

『Frozen Butterfly』ジャケット
「Frozen Butterfly」

■リリース情報
WOLF HOWL HARMONY
2nd Single『Frozen Butterfly』
2024年2月14日(水)リリース
配信:https://wolfhowlharmony.lnk.to/frozenbutterfly_dlstr

WOLF HOWL HARMONY オフィシャルサイト

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