マイケル・ジャクソン、伝記映画の注目ポイントは? 激動のキャリアから意思を継ぐ者まで

マイケル・ジャクソン、伝記映画の注目点

マイケルの意思を引き継ぐアーティストたち

 マイケルが与えてきた後進への影響は計り知れないが、1月に東京ドーム7日間公演を大成功のうちに終わらせたブルーノ・マーズは、彼の遺伝子を受け継ぐアーティストの中でも最右翼だろう。エルヴィス・プレスリーとともにマイケルを憧れの対象として挙げてきた彼は、ブラックミュージックを基調としたポップな音楽性はもちろん、淀みないナチュラルなダンススキルも含めてマイケル(と、そのマイケルがお手本にしたジェームス・ブラウン)の要素に溢れている。圧倒的なカリスマなのに親しみやすいキャラクターなのが愛らしく、ライブ後に投稿された日本への感謝を込めた最新リール動画も観るだけで微笑ましい。マイケルと同じく、世界中がトキメく生まれながらのスーパースターだ。

 
 
 
 
 
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 またマイケルといえば1993年の『NFL スーパーボウル』のハーフタイムショーでのパフォーマンスも鮮明に記憶されている。近年はジェイ・ZがNFLとパートナーシップを結び、2022年にはドクター・ドレーを中心にスヌープ・ドッグ、メアリー・J.ブライジ、エミネム、ケンドリック・ラマーらが集結。昨年はリアーナが久しぶりにステージ復帰するなどR&B、ヒップホップ関連のアクトが続く中、今年パフォーマンスを予定しているのがアッシャーだ。

 1993年のデビュー以降は常にR&Bシーンの最前線にいる彼だが、ここ数年の活躍は目覚ましく、『スーパーボウル』の前々日には通算9枚目のアルバム『Coming Home』をリリースする。本作では90年代末からの黄金タッグとして名高いジャーメイン・デュプリやリル・ジョンも制作に関与、さらにはサマー・ウォーカーやザ・ドリームら地元の後輩たちを従え、現行R&Bの中心地ともいえるアトランタの盛り上がりを象徴する2024年の重要作となることは必至だ。2001年、マイケルのソロ30周年記念イベントでトリビュートパフォーマンスを披露した彼にとっては、『スーパーボウル』の場が意味する価値も人一倍大きいはず。人々の記憶に残るエポックメイキングなステージングを期待して良いだろう。

USHER, Pheelz - Ruin (Official Music Video)

 そのアッシャーとは年齢がひと回り近く離れているが、現代のキング・オブ・R&Bとして肩を並べるのがクリス・ブラウン。キャリア約20年の中で発表したアルバムは11作品で、そのうちのほとんどがビルボードR&Bチャートで首位を獲得。最先端のストリートR&Bを追求する彼の創作意欲と努力は、常にマイケルの背中を追っているからこそだろう。近年は世界を席巻するアフロビーツのアーティストとも積極的にコラボレーションを行い、ナイジェリアのロジェイ、サーズとのコラボ曲「Monalisa」や最新作『11:11』に収められた「Sensational ft. Davido, Lojay」など、マイケルが現代に生きていたらすぐに気に入りそうな楽曲も多数発表している。

 そんなクリスは2022年の『アメリカン・ミュージック・アワード』にて、同じくMJチルドレンのひとりであるシアラとマイケルへのトリビュートパフォーマンスを予定していたが、かつての恋人 リアーナへの暴行事件が再度取り沙汰され突如出場をキャンセルされた。当時の事件については消えることのない事実ではあるものの、オファーを出した後での中止は不憫にも思われた。

Chris Brown's canceled AMA performance 2022 (MJ Tribute)

 そしてジャネット・ジャクソンの来日公演も迫っている。『Together Again』と題された本ツアーでは兄 マイケルと共演した「Scream」もセットリストに入っているという噂で、マイケルの意思を一番に引き継ぐ彼女の姿を見逃すわけにはいかない。

Michael Jackson, Janet Jackson - Scream (Official Video)

 マイケルの音楽と人生、そして彼が放ったメッセージは、この先の世代にも多大なインスピレーションと勇気、たくさんの教訓を与えていくだろう。あらためて彼の功績と音楽に目と耳を傾けつつ、映画『マイケル』の公開を待ち望むとしよう。

※1:https://variety.com/2024/film/news/colman-domingo-michael-jackson-father-joe-biopic-1235887187/

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