リアルサウンド連載「From Editors」第43回:今シーズン期待のドラマ『不適切にもほどがある!』

 「From Editors」はリアルサウンド音楽の編集部員が、“最近心を動かされたもの”を取り上げる企画。音楽に限らず、幅広いカルチャーをピックアップしていく。

『不適切にもほどがある!』昭和と令和を繋ぐ阿部サダヲの演技

 旭山動物園公式Instagramで公開される「ペンギンの散歩」がこの季節の楽しみの一つな村上です。ペンギンが雪の上を歩くだけの動画ですが、見ていると思わず笑顔になってしまいます。キングペンギンはやはりこのお腹のふっくら感と差し色のイエロー、身体が大きめがゆえに歩くのもよりゆっくりな感じがたまらないです(時々歩くのを諦めてお腹で滑るのもご愛嬌)。

 
 
 
 
 
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旭川市旭山動物園(Asahiyama Zoo)(@asahiyamazoo1)がシェアした投稿


 ペンギンの話題だけで終えても良いくらい書きたいことはたくさんあるのですが……今回は1月26日からスタートしたドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)を扱おうと思います。

 宮藤官九郎脚本×阿部サダヲ主演ということで放送前から注目していた人も多かったかもしれません。かくいう私も今期楽しみにしていたドラマの一つでした。多少の誇張があるとはいえ、今の感覚では「それはまずい!」と言いたくなる昭和のシーン、ハラスメントやコンプライアンスに縛られて窮屈だが、大袈裟すぎるとも言い切れない令和のシーン。そして二つの時代を見事に繋ぐ阿部サダヲの演技と、言いたいことを全部歌ってしまうミュージカル(&フラッシュモブ)が絶妙で笑えます。昭和が良かったとは決して言えないけれど、令和の今が良い時代なのかというと必ずしもそうとも言えない、そんなモヤモヤを阿部サダヲ演じる小川市郎がバシッとまとめてくれているような印象でした。

 おそらく第二話でもまた別の問題やモヤモヤに昭和から来た小川市郎=阿部サダヲが何か言ってくれるのだと思いますが(再びのミュージカルシーンも!)、気が早くも最終的にどうゴールするのかというのが楽しみなところ。別の価値観に触れたからといって考え方が簡単に変わるわけではないし、おそらくどちらが良いか悪いかはっきりさせるのが目的でもない。第一話がきっと多くの視聴者の期待値を超えてきただけに、自然と今後の展開に求められるハードルも高くなっているはず……ともかく、毎週追いかけたいと思います。

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