iScream、20歳の年に掲げた“セルフラブ” 寄り添う気持ちを大切に歌った2ndアルバム
昨年、初の全国ライブツアー『iScream LIVE TOUR 2023 “Level 19”』を行ったiScream。磨き上げられた歌やダンスのスキルに豊かな表現力が加わり、グループとして、そして3人それぞれが確実にステップアップしていることを証明するパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。そんなiScreamが、2枚目となるオリジナルアルバム『Selfie』を1月17日にリリース。制作段階からアイデアを出し合い、今伝えたい思いやメッセージを詰め込んだという意欲作だ。セルフラブというコンセプトのもとに作られたそれぞれの楽曲について、3人の思いを聞いた。(山田邦子)【記事最後にプレゼント情報あり】
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初の全国ツアーで得られた大きな手応え
ーー2023年はiScreamにとってどんな1年でしたか?
RUI:2023年は10代最後の年でもあったので、ラストティーンを悔いなく過ごしたいっていうことを意識しながら生活してきた1年でした。10月には初の全国ツアー『iScream LIVE TOUR 2023 “Level 19”』もありましたし、Girls²のみんなとのコラボレーションのリリースがあったおかげで、これまで出会えなかった人たちにもたくさん出会うことができました。刺激と学びを吸収できた1年だったのかなと思います。
YUNA:私もそうですね。コラボやライブなど新しい経験をたくさんできた1年でしたし、大変なことや挑戦の部分もたくさんありましたが、全部自分の身になったと思っています。学んだこともすごく多い1年でした。
HINATA:Girls²とのコラボレーションは、かなり大きなポイントだったかなと思います。いつもは3人ですが、(Girls²の8人と合わせて)11人になるので、自分の立ち位置やキャラクターをさらに細かく分析できた1年でした。自分ってこういう一面があったんだなとか、やっぱりここが得意だったなと改めて自分を見つめ直せて、なんだかすごく濃い1年でした。
ーー初めての全国ツアーが開催できたのは大きなトピックでしたね。
RUI:全国ツアー自体は初めてだったのですが、4公演は本当にあっという間で。一回一回の公演を3人で楽しみながら、でも個人的には、周りを見てしっかり考えながら慎重に臨んだツアーだったかなと思います。
ーー手応えもしっかり感じられたのでは?
YUNA:そうですね。さすがに初日の名古屋はどんな感じになるか想像もできなかったので、どういう手応えをゲットできるかななどいろいろ考えていたんですが、ファンの皆さんが思いのほか声を出してくださったり、すごく楽しんでくれたのが伝わってきたので、自分たちがほしかったものを全部皆さんが返してくれた感じがしました。あとは、ステージセットなど、やってみたかったことが全部できたのも大きかったですね。
HINATA:『iScream LIVE TOUR 2023 “Level 19”』は10代最後というコンセプトでやらせていただいたんですが、初の全国ツアーにして、自分たち自身でいろいろ組み立てたんです。ステージセットに関してもたくさん意見を出させていただきました。大人に頼る部分もありつつ、本当に自分たちらしさをたくさん詰め込んだライブになったので、今の私たちにしかできないライブだったと思いますし、今の私たちにしか表現できないコンセプトだったなと改めて感じています。
ーーそのツアーで、ニューアルバム『Selfie』にも収録されている「Pom Pom Pop」がいち早く披露されました。タオルを回してライブを盛り上げる感じがとても新鮮でした。
RUI:ツアーとアルバムの制作期間がほぼ同じだったので、せっかくツアーグッズでタオルを出していたので、みんなで振り回して盛り上がれたらいいなという思いもあって作らせていただいた楽曲です。ライブに来てくれた皆さんもめちゃくちゃ盛り上がってくださったので、作ってよかったなと思いました。
「“3人の声でいいものにしないといけない”という責任と覚悟」(RUI)
ーーこれまでのiScreamにはなかったタイプの楽曲だし、ライブでまた新しい3人の魅力が伝わる楽曲だなと思いました。ではニューアルバム『Selfie』について聞かせてください。
RUI:今回アルバムを作るにあたって、制作の段階、楽曲を選んでいく段階から携わらせていただきました。例えば、タイトルの『Selfie』。セルフラブをテーマにしたいというのもメンバーの発案でしたし、収録する新曲はこういう歌詞で、こういう世界観を歌いたいですっていうアイデアも出したんです。自分たちとスタッフさん、みんなで育てて生まれた楽曲ばかり。早く皆さんに届けたいという思いはもちろんですが、自分たちの意見もたくさん入れていただいたからこそ、緊張もしてます。
ーーアルバムタイトルがメンバーからの発案だったとのことですが、セルフラブをテーマに着地した経緯を聞かせてもらえますか?
YUNA:1stアルバム『i』は、自分にフォーカスするというより、いろんな愛を知り、いろんな愛を経験することができたからこそのアルバムだったんですね。今回は、そうやって愛を知ることができたからこそ自分たちが語れる愛があるっていう、ストーリーのような繋がりも持たせました。今年はメンバー全員が20歳になる年ということもあり、より自分たちを歌いたい、自分にフォーカスした作品を出したいという思いがそれぞれに強くありましたので、セルフラブというテーマを掲げたいですと提案しました。
RUI:聴いてくださる方の背中を押したり、自信をつけてもらえるような楽曲になっています。曲に込めたメッセージや歌詞は、全部私たちが今胸の内に熱く秘めてるものですし、iScreamを自分たちで称えている歌詞でもあるなってすごく思います。
HINATA:このアルバムを作るにあたって、『Selfie』、つまり自分たちを映し出すというテーマを決めていたので、作詞家さんにはこういう歌詞にしてほしいですとか、こういう女の子を歌った歌詞にしてほしいですっていうところまでオーダーをさせていただきました。かなり自分たちの心情に近いんじゃないかなと思います。
ーー自分たちの思いが反映されているとなると、歌う気持ちにも変化がありそうですね。
YUNA:制作の段階から関わったので、この歌詞にはこういう意味が込められているということがちゃんと頭にインプットされていますし、思い入れが深くあるんです。もちろん今までの曲も、自分たちの感性で頑張って解釈してきましたが、やっぱり全部密に関わってきたわけではなかったので、そういう意味では、今回はより愛のある楽曲に仕上げることができたかなと思います。
RUI:レコーディング、私はすごく緊張してました。2ndアルバムはiScreamにとってすごく大事なリリースなので、もっとiScreamを届けたい! という思いが強くありました。しっかり届けるためには、まず私たちの歌声が皆さんに響かないといけない。しかもここに込めたメッセージや思いをちゃんと歌に残さないと、このアルバムを届ける理由にならないというか。その責任がすごくありましたね。
ーーなるほど、そういうお気持ちもあったんですね。
RUI:例えば「Heart of Gold」は、デモを聴いた瞬間に3人の「アルバムの1曲目にしたい」という気持ちが一致した楽曲でもあるんです。それくらい思いも強かったですし、「かっこいい、これ!」って私たち自身も心を揺さぶられたからこそ、3人の声でもっといいものにしないといけないという責任と覚悟を感じました。そういう意味でも、緊張が溢れてたレコーディングでした。
ーーHINATAさんはどうでしたか?
HINATA:「Heart of Gold」に関しては、私たちがステージに立ってパフォーマンスする姿が明確に見えた楽曲だったので、これは私たちにとって大切な楽曲になると思ったんです。だから、絶対にアルバムに入れたいって3人が一致したことがすごく嬉しかったですね。しかもそれを自分たちの歌声でレコーディングして、実際にリリースできることが本当に嬉しい。そういう一曲一曲に対するエピソードが、今回は濃いんです。全ての曲にどうして入れたかったかという意味や思いがあるからこそ、自信のある2ndアルバムに仕上げることができたのかなって思います。
ーー「Heart of Gold」の冒頭のアカペラは、まさにライブの始まりを思わせるような印象でした。3人の声の魅力が爆発してますね。
YUNA:20代になるというのももちろんですし、これから夢に向かって3人でどう切磋琢磨して頑張りたいかみたいな熱意が全部詰まっている楽曲で。ライブが始まる前に聴いたら、自分たち自身もすごく熱い思いが込み上げるんだろうなと思います。〈さあ、ここから〉ですとか〈確かに見えたLight〉ですとか、歌詞のあちこちに今までの自分たちの経験と重なるものがあるんです。この楽曲をリリースできるのは、オーディション(『LDH Presents THE GIRLS AUDITION』)やデビューからの2年半があったからだなと思うので、自分でもちょっと感動しちゃうぐらい(笑)。リリースできることはもちろん、この歌詞を書いてくださったことがすごく嬉しいなって思います。
RUI:大きなステージで3人が等間隔に立って、スポットライトを浴びて歌っている姿が想像できる曲なんです。デビューしてから、楽しいことや幸せなこともあれば、一筋縄でいかないなと感じたことや悔しいこと、どうしたらいいんだろうと思うことも少なくはなかったんです。そんな私たちが、自分たちの思いを楽曲を通して世の中に届ける、今の最大限の思いと、iScreamを日本中、世界中に届けたいんだという気合いが込められてる曲かなと思います。この気持ちを受け取っていただけたら嬉しいなって、その言葉に尽きますね。
HINATA:楽曲と自分たちの心のバランスを整えられてるなということを、レコーディングしていても感じました。過去の楽曲はかなり大人びた内容のものも多かったのですが、それこそ『iScream LIVE TOUR 2023 “Level 19”』で久しぶりに歌った時も、ちょっと共感度が変わったなと思うところもあったんですよ。「以前はわからなかったけど、わかるようになったな」とか。「Heart of Gold」を通してそういう変化も感じられましたし、10代でデビューしたiScreamが今年20歳になって一歩ステップアップする過程を、「Heart of Gold」から始まるこのアルバムから感じてもらえるのではないかなと思います。
ーーステップアップという意味では、「Like A Flower」の表現力はまさにそうだなと感じました。
HINATA:歌いこなせるようになるだけではなく、そこに追いついてさらに超えるくらいの表現力を持っていたいですし、少しずつ持つことができてきたのかなと感じる楽曲だと思います。
RUI:聴き心地も、歌い心地もいい楽曲。今回のアルバムにはいろんなタイプの楽曲が入ってますが、「Like A Flower」はナチュラルな状態でスッと入ってきますし、きっと皆さんも聴きながら自然と口ずさんで歩けるような曲じゃないかなと思いますね。「Like A Flower」や「Shiny Shiny」は特に、心や背中を押してくれる存在の曲かなって思ってます。