KinKi Kids、シングル『シュレーディンガー』で連続首位獲得記録を更新 稀代のデュオの新境地に
CD Chart Focus
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2024-01-08/
2024年1月8日付(2024年1月5日発表)のオリコン週間シングルランキングでは、KinKi Kidsの『シュレーディンガー』が初週約17.9万枚(推定)を売り上げて首位を獲得した。これにより、KinKi Kids はデビューシングルの『硝子の少年』から47作連続でのシングル1位と記録を更新。「デビューからのシングル連続1位獲得作品数」でも歴代1位の記録を伸ばしたほか、「シングル連続1位獲得年数」でも1997年度から2024年度まで28年連続を達成し、2位につけるB'zの20年連続を大幅に上回っている(※1)。デビュー以来第一線で活躍し続けてきたふたりであることは周知の事実だが、改めて数字を見るとその不動の存在感には凄みすら感じられる。
本作『シュレーディンガー』は、そんな彼らの47枚目のシングル。2022年から2023年にかけてのデビュー25周年イヤーと、その集大成とも言える17枚目のアルバム『P album』のリリースを経て、新たな一歩という位置付けの楽曲でもある。表題曲の製作陣には「Time」を始め「lOve in the φ」「Glorious Days ~ただ道を探してる」など数々の楽曲でタッグを組んでいるトラックメーカー U-Key zoneを起用。さらに、シンガーソングライターの山崎あおいが作詞を務めるという初の試みにも注目が集まった。
ハンドクラップとグルーヴィなベースラインで幕をあける楽曲は、のっけから夜の匂いがプンプン香る。歌唱がはじまると、堂本剛パートはいたって平熱で冷静、かたや堂本光一パートは切なげに潤んだようにも聞こえ、その対比がアダルトな楽曲の世界観にも拍車をかける。サビでは一転、情熱的なユニゾンを披露。ホーンセクションを動員したゴージャスなアレンジも印象的だが、やはり20年来を共にしてきたふたりの相性の良さはさすがの一言。どちらかが押せばどちらかが引く、自然な間合いと緩急のつけ方が、聴いていてとても心地よい。全体的にはソウル風味の王道ポップスといった風情だが、どこかノスタルジックな雰囲気は、昭和レトロがトレンドとなっている今の時代にも映える。
一方で歌詞で描かれるのは、色気のある楽曲にふさわしい大人の恋の駆け引き。魅力的な相手に翻弄される男性の心情が赤裸々に綴られる。タイトルの“シュレーディンガー”とはオーストリアの物理学者の名前だが、本作では彼が提唱した理論に基づき、「物事の結果は発生するまでわからない」という意味で使われていると推測する。すなわち、恋が成就するか否かは最終章までわからない。わからないからこそ燃え上がり、焦がれ、溺れていく。早急に結果を求めようとしない様子はある意味生殺し状態だが、〈ヒリついた 運命 悪くないね 悪くないさ…〉というフレーズを見るに、むしろそれも醍醐味と感じている風だ。バッドエンドでもかまわない、ただ1秒でも長く夢中になっていたい、そんな心情に思いをはせると、歌唱や演奏、アレンジが、いかに緻密に楽曲を構成し、世界観を形作っているかがわかるだろう。そして、それを可能にしているのがふたりの表現力であることは間違いない。
現在、オフィシャルYouTubeチャンネルで公開されているMVでは、ゴールドの衣装に身を包んだふたりがダンスを交えた歌唱を披露。コーラスやホーンを従えたゴージャスな編成も見どころとなっている。舞台は、きらびやかな書き割りの世界。そこに、まやかしとわかっていても愛を求めずにいられない切実さもにじむ。わずか3分少々の楽曲の中に詰め込まれたストーリー性にも注目しながら、稀代のデュオの新境地にどっぷりハマっていただきたい。
※1:https://www.oricon.co.jp/news/2309525/
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