AmamiyaMaako、SNSの批判に対する憤りを音楽に 「多様性が叫ばれているけど全然認め合っていない」
「本当は自分で何もやってないと言われたり…」と批判された過去も
――でも、すでに楽曲提供もされていて。例えば、バンダイナムコエンターテインメントのコンテンツ『電音部』の「MIDNIGHT TOWN」という楽曲とか。
Amamiya:『電音部』は、AKIBA、SHIBUYA、HARAJUKUなどのエリアごとでユニットがあって、私はAZABUエリアの港白金女学院というユニットの楽曲を書きました。キャラクターに寄り添わず、自分らしい楽曲でいいということだったので、麻布や六本木あたりのキラキラした街をイメージしたちょっとアーバン感のあるものになっています。
――楽曲提供の時は、曲作りに対する考え方は変わりますか?
Amamiya:全く変わります。楽曲は『電音部』のようにお任せいただく場合もありますが、相手側の要望とすり合わせながら作ります。歌詞は歌われる方に寄せて、『電音部』のようなキャラクターものならそのキャラクターがどんな言葉を使うかなど考えて書いていきます。以前シンガーの方に楽曲提供した時に、強めの歌詞を書いたら却下になってしまって。それなら私が歌えばいいなと思って、そういう経験で自分が歌うべきものが、逆に分かったということもありました。自分には似合わない曲とか自分が歌うにはちょっとなと思う曲も書けますし。またそういう経験が、自分の音楽にフィードバックされることも多いです。
――はるかりまあことして、航空会社 ピーチ・アビエーションのCM曲「One day traveler」を作詞・作曲・編曲したり、サントリー PepsiのCM「青春ないない~放課後篇~」のCM曲の作曲・編曲なども手がけていて。企業ものは、映画やドラマの主題歌以上にすごくセンシティブなイメージです。
Amamiya:そうですね。楽曲の制作チーム、クライアントさん、CMの監督さんそれぞれで意見があって、その中で作っていくので、楽曲提供とは全くの別モノというイメージです。書き直し、作り直しは当たり前にあって正直すごく大変ですけど、それが世に出た時はめちゃくちゃうれしいので、やりがいをすごく感じます。
――最初に作った曲が、クライアントなどいろいろな要望に応えていくうちに、最初と全く違うものになっている場合もありますよね。
Amamiya:あります。でも作家としての自分とアーティストとしての自分は切り離して考えているので、作家としての場合は、何がなんでも自我を出そうとはあまり考えたことがないです。ただ様子を見つつ大人しく無難に作ると、「もっとMaakoさんっぽさを出してください」と言っていただくこともあるので、そういう時はうれしいので喜んで出すという感じです。まあ、自我は自分で歌う楽曲のほうで出せばいいので、そこでストレスを感じることはありません。
――今後どなたか楽曲提供をしたい方はいらっしゃいますか?
Amamiya:私はYUKIさんが大好きなので、いつかYUKIさんに楽曲提供をするのが夢です。
――「ひどいこと言っちゃダメよ」は、MVも作られていて。
Amamiya:プロジェクターで歌詞や映像を映し出すというやり方をやってみたくて、それを監督さんと共有して撮っていただきました。あとアニメーションも使っていて、私が歌っているシーンとアニメの私が歌っているシーンを織り交ぜています。アニメーションは私の知り合いに描いてもらっています。私と感性がちょっと似ているところがあって、絵のタッチも私の好きな雰囲気だったので描いてもらいました。
――最後に来年の展望を聞きたいのですが、まず2023年は振り返ってどうでしたしたか?
Amamiya:Hau.(ex. WHY@DOLL 浦谷はるな)さんのアルバム『STEP BY STEP』を、1枚まるごとプロデュースさせていただいたんですけど、全6曲の作詞・作曲・編曲を手がけてさせていただいたので、それで前半があっと言う間に終わってしまって。後半は、最初に話したバンドサウンドをテーマに「ひどいこと言っちゃダメよ」とか、自分の曲を作っていた感じで、そのバンドサウンドの楽曲たちを集めて2024年にリリースする予定です。あと、いつ実現できるか、ソロアーティストなのかグループなのか、まだ分かりませんけど、自分で発掘して1からプロデュースしたいと思っています。
――考えたり作ったりすることが好きなんですね。
Amamiya:そうみたいです。それも今年気づいたことの1つです。「何が1番好き?」って聞かれたら、「作るのが好き」って答えます。
――3月17日に下北沢でワンマンライブを開催するそうですね。
Amamiya:はい。ワンマンは1年半ぶりくらいです。今回は3ピースバンドでやろうと思っていて、ベースとドラムを入れて、私がボーカル&ギターというスタイルを考えています。
――以前はギターではなく、サンプラーを操作しながら歌っていましたけど。
Amamiya:今は、イベントや対バンで出る時は、ギターを弾きながらパソコンでシーケンスを出して歌うという1人で全部やるスタイルなんですけど、3月のライブは以前のようにサンプラーは使わず、ギターを弾きながら歌おうと思っています。これも今回の曲の話につながるんですけど、サンプラーをやりながら歌っていた時代は、楽器が弾けないからそっちに逃げているって思われたり、本当は自分で何もやってないと言われたり、バンドメンバーがすごいからちゃんとやれているように見えているだけだと直接言われたこともあって、すごく嫌な思いをしたんです。それで、楽器ができないと思われたままなのも癪ですし(笑)、今は“バンドサウンドお熱期”なので! どんなライブになるか楽しみにしていてください。
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