chelmico、歌にダンスに一体となって楽しんだ時間 『一緒に踊ろうよTOUR』ファイナル公演

 気づけばライブも中盤に。ニューEPからバナナマン単独ライブのオープニング曲として書き下ろした「H」、相手からのメールやSNSでの振る舞いに一喜一憂してしまう気持ちを綴る「Meidaimae」、成就しない相手への想いを狂おしく歌った「Balloon」、ピアノを基調としたシンプルなトラックが、美しいメロディを際立たせる「午後」と続け、多岐にわたる音楽ジャンルを吸収し「ヒップホップ」という枠を大きく飛び越えたchelmicoの豊かな音楽性を、これでもかと言わんばかりに見せつける。

 「このEPは、みんなで声を出したいと思って作ったんだよね」とMamikoが言うように、「BLUE」はソウルフルなビート、The Beach Boysばりのコーラスが炸裂するダンスチューン。先の「Question」よりもさらに難易度の高いコール&レスポンスに、chelmico、%Cと会場の心が再び一つになる。さらに「Easy Breezy」、「GOOD GAME」とラストスパートをかけた後は、スペシャルゲストにlil soft tennisを迎えて「Bicycle」を歌う。

 「今までさ、声が出せないライブが続いてきたわけで。悲しくてメソメソしている時間がすごく長かったんだけど、今回こうやって『一緒に踊ろうよ』と言いつつ歌も一緒に歌ってめちゃくちゃ楽しいツアーになったなと。改めて、みんなのおかげです」とRachelが感謝の言葉を述べ、名曲「Love Is Over」を披露。サビを全員でシンガロングし、さらに〈愛したい 恋したい でも愛されたい〉をコール&レスポンスした後、本編ラストは「flash」。スマートフォンのライトを利用し、ペンライトのようにかかげたオーディエンスによって会場は幻想的なムードに包まれた。

 アンコールではパソコン音楽クラブをゲストに迎え、彼らとコラボした「PUMP!」とニューEP表題曲「I just wanna dance with you- period」を演奏。「I just wanna dance with you- period」の後半でパ音の2人は、chelmicoの2人とふにゃふにゃの「ダンス」をするなど普段あまり見せないような姿を披露し会場は大いに盛り上がった。そしてアルバム『Fishing』のラストを飾るバラード「Bye」を最後に歌い、この日のライブに幕を閉じたchelmico。ラップのスキルはもちろん、メロディメイカーとしての類稀なる才能を持ち、%Cやlil soft tennis、そしてパ音の2人ら周りの人たちの魅力を存分に引き出すなど、彼女たちが誰をも魅了する理由を改めて思い知らされる一夜だった。

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