NEWSが繋いできた20年の積み重ね 物語の“集大成”となる3人での東京ドーム公演
2003年に『2003年ワールドカップバレーボール』のイメージキャラクターとして結成されたNEWS。20年の歴史の中でNEWSはグループ自身も、グループを取り巻く環境も大きく変化したが、一歩一歩着実に前へ前へと進んできた。その一つの集大成が東京ドームで開催された『NEWS 20th Anniversary LIVE 2023 in TOKYO DOME BEST HIT PARADE!!! 〜シングル全部やっちゃいます〜』なのかもしれない。グループとしては5年ぶり、現体制としては初めての東京ドーム公演をレポートする。
東京ドームを埋め尽くす観客の合唱からたった3本のスポットライトが伸びる先に登場したNEWSの3人。一面を埋め尽くす真っ白なペンライトを前に思わず増田貴久が泣き出しながら披露したのは「U R not alone」。続けて「未来へ」をバックバンドとともに披露すると、『シングル全部やっちゃいます』の名の通りシングル楽曲を息つく間もなく披露。特筆すべきは「紅く燃ゆる太陽」だろう。2004年リリースで2枚目のシングル収録曲はモニターに過去の映像も映され、まだあどけない雰囲気の残る3人と現在の大人になった3人が並ぶと、20周年の歴史の重みを感じさせられる。続けて「チャンカパーナ」、「さくらガール」と現在も歌い続けられるNEWSの名曲が続く。「星をめざして」でリフターを上がりしっとりと歌い上げたと思いきやステージに戻り「チンチャうまっか」(2020年)、「チュムチュム」(2015年)とアッパーソングで東京ドームを盛り上げる。
メインステージに戻り、「20年すげぇな」「まだ半分も終わってないからね」「水、水……」と思わず漏らしながらバタバタと給水タイム。ドーム一体となって一斉に〈YOU達 何型?〉のコールから始まったのは「恋のABO」。給水タイムの慌ただしい雰囲気も曲が始まると一転して、しっかりと決めるのもNEWSらしい。続けて「WORLD QUEST」「ONE -for the win-」「BLUE」とFIFAワールドカップのテーマソングをメドレー形式で歌い続け、最後に「Happy Birthday」で20周年をお祝いする。
ここまで20曲歌い続けてきたところでMCタイム。増田が小山慶一郎に「MC何話すか決まってる?」と聞かれ「決まっていない」と答えると「それでいっか」と言われたことや、加藤シゲアキが「シングル全部やるって決めたけど途中で終わってもいいかも」と笑い合う。デビューから20年経ってもなお、東京ドームのメインステージに3人で小さく集まり話し合うゆるさが今のNEWSの持ち味だ。
加藤が執筆した小説の『第170回直木賞』ノミネートを一通りイジったあと、後半戦がスタート。小山の「みんな、カスタネット持ってる?」にどよめく会場。これは2022年のツアー『NEWS LIVE TOUR 2022 音楽』のグッズであるカスタネットのことだが、「嘘嘘。みんなで手拍子で!」の声に応えるように55000人が「LOSER」を手拍子で盛り上げる。続けて、モニターにはデビュー前の少年だった頃の映像から現在までの映像がダイジェストで映し出される。ピアノの伴奏とともに「恋を知らない君へ」をじっくりと聴かせると、アルバム収録曲ではあるもの、ファンからの人気の高い「SNOW EXPRESS」、和傘を持ってパフォーマンスをする「KAGUYA」、客席と一体になって歌う「Love Story」と、テイストもリリース年も縦横無尽にNEWSの歴史を積み上げていった楽曲を歌い続ける。
水と炎が舞う中で「ギフテッド」を披露すると、モニターには「20周年を記念した楽曲」について打ち合わせの様子が映し出される。「“ルーツ”ってタイトルいいじゃん」という声とともに画面に大きく「ROOOTS」という文字が表示されると、バンドからギターの轟音が鳴り響き、『NEWS 20th Anniversary LIVE 2023 NEWS EXPO』ツアー中にNEWSメンバーで制作した「ROOOTS」をパフォーマンス。グループ公式Xにて事前にファンが歌うパートが示されていた通り、東京ドーム一体となってメンバーとファンが一体となって20年目の決意を新たにする。
「四銃士」「ヒカリノシズク」「SUMMER TIME」とトロッコに乗り込みファンの近くで思い出の楽曲を披露し、2006年リリースの楽曲「裸足のシンデレラボーイ」を歌う頃、気づくとライブも終盤。手元の資料によると、この時点ですでに披露した楽曲は42曲にのぼる。ラップからバラード、パーティーチューンから王道アイドルソングまでたくさんの楽曲を披露してきたが、どれも現在のNEWSを構成する上では欠かせない重要なピースだ。