BOYNEXTDOOR、2023年デビューグループのトレンドを牽引 破格の存在感を示した一年を振り返る

BOYNEXTDOOR、存在感見せつけた2023年

 今年2023年にHYBE傘下のレーベル KOZ ENTERTAINMENT初のボーイグループとしてデビューしたBOYNEXTDOORは、SUNGHO、RIWOO、JAEHYUN、TAESAN、LEEHAN、WOONHAKの6人組だ。5月のデビューに先行してリリースした「But I Like You」のMVは世界複数国の急上昇チャートにランクインし、1stシングル『WHO!』はリリース時点で2023年デビューの新人グループ最高成績を、歴代K-POPボーイグループのデビューアルバムでは初動5位を記録し、大型新人として大きな注目をあびた。

 グループ名のBOYNEXTDOORが意味する「隣の少年たち」のように、若い世代が共感しやすいような日常的な題材の歌詞と、韓国では「イージーリスニング」と呼ばれている(元来のポップスにおける「イージーリスニング」というジャンルとは少し意味合いが異なる)現代の若者が日常生活でBGMとして聴き飽きないようなエフォートレスなサウンドは身近で親しみやすく、その世代の共感を誘う等身大な若者像をコンセプトでもパフォーマンスでも表現しているようだ。ステージではヘッドセットではなく常にハンドマイクを使用してアドリブを入れるなど、ダンスだけではなくボーカルパフォーマンスを重視したグループであることを印象づけている。

BOYNEXTDOOR (보이넥스트도어) '돌아버리겠다' Official MV

 グループの総括ディレクターおよびメインプロデューサーを務めているKOZ ENTERTAINMENTの代表プロデューサー・ZICOは、アーティスト兼プロデューサーとしても人気と認知度を兼ね備えた存在。そのZICOが初めてプロデュースするグループということで、デビュー前から国内外からの注目を受けることは必然だったと言えるだろう。

 “自作ドル”として数々のヒットを飛ばして実力共に知られたZICOのように、BOYNEXTDOORもデビュー作品から作詞にはメンバーのJAEHYUN、TAESAN、WOONHAKが参加しており、「But I Like You」「Crying」「But Sometimes」「ABCDLOVE」では作曲にも挑戦している。

 収録曲すべてがタイトル曲のトリプルタイトルを冠した1stシングル『WHO!』は、3曲を順番に聴いていくと、好きな相手に出会い、自分をアピールして告白に至るという繋がったストーリーになっていたが、その3カ月後の9月にリリースされた1st EP『WHY..』は初恋が終わりを迎える物語が描かれ、そのスピード感も含めて“等身大の今時の若者”ということかもしれない。

BOYNEXTDOOR (보이넥스트도어) '뭣 같아' Official MV

 『WHY..』のタイトル曲「But Sometimes」は、初恋の終わりで経験した憎らしいけれど同時にずっと会いたいとも思う複雑な感情の起伏を、ストレートな歌詞と強いギターサウンドで表現した曲。韓国の主要音源チャートの「MelOn」では、週間TOP100チャートで3位、月間TOP100チャートでも10位にランクインした。YouTubeチャンネルの動画総再生数はデビュー3カ月で1億回を突破し、韓国の音楽番組である『THE SHOW』『SHOW CHAMPION』ではデビューからわずか100日ほどで初のランキング1位を獲得した。

 全米ビルボードチャート「Hot Trending Songs」では当時のK-POP最高位5位に入り、作品自体もメインアルバムチャート「Billboard 200」で162位にチャートイン。日本ではデビュー時の反響から東京都内でのアドトラックや渋谷での大型ポップ展開が行われ、「オリコンデイリーアルバムチャート(9月4日付)」で1位、週間チャートでも3位に入った。11月には韓国で人気のスポーツウェブトゥーン『GARBAGE TIME』のOSTを担当するなど、このカムバックでより国内外から注目される2023年度デビューのホットな新人として、ネクストブレイクアーティスト筆頭の地位を盤石なものにした。

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