藤井 風、「花」MVのダンスシーンが持つ意味 “死生観”と“転生”の解釈
前述した3曲のなかで、「花」のMVはかなりストーリー性がはっきりしているゆえ、踊りは亡き人を送り出すイニシエーションであることがわかる。しかもポップな曲調と相まって、「花」のダンスシーンを観て「祝祭」という言葉が浮かぶのは、転生を表現しているからではなかろうか。
前述した歌い出し〈枯れていく〉と歌っている藤井は笑顔を浮かべている。あまりに満面の笑顔で、安らかな顔というよりも、次へ向けてワクワクしているようにさえ見える。また最後はリズムカルにこぶしを突き上げながら、一歩ずつ歩んでいく郡舞で終わるあたりも、前述した転生に通ずる演出だと思う。
「花」のMVは、公開から約2週間で視聴回数が650万回を突破し、まだまだ伸びそうな勢いである。この年末年始、あらためて藤井 風のMVを振り返ってみてはいかがだろう。演者として、また表現者としての彼の成長と変遷がわかるはずだ。

























