somei、とた、tuki.、ao……バイラルチャートやアニメ界隈で頭角表す次世代女性シンガーソングライター

somei、とたら次世代女性SSW

tuki.

tuki.『晩餐歌』弾き語りver.

 今年10月にデビュー曲「晩餐歌」をリリースした現在15歳のシンガーソングライターtuki.も、すでにバイラルチャートで1位を獲得するなどメジャーデビュー前から注目を集めている。爪弾くアコギに導かれ、〈君を泣かすから だから一緒には居れないな/君を泣かすから 早く忘れて欲しいんだ〉と突き放すように歌われる歌詞は、聴き進むとその言葉とは裏腹に相手への狂おしい恋心が切々と歌われ、それとともにバンドアレンジもドラマティックに変化していく。まるで思いつめたようなtuki.の歌声も印象的だ。

 YouTubeにアップされたこの曲の弾き語り動画も話題となり、サブスクでも「晩餐歌 弾き語りVer.」が配信リリースされている。先日リリースされた「一輪花」を含めて彼女の音源はまだ3曲しか聴けないが、それでも「15歳なんて思えない」といった常套句など不要なくらいの才能をひしひしと感じる。

ao

Netflixシリーズ「陰陽師」エンディング主題歌 / ao - kioku (Official Video)

 最後に紹介するのはao。2021年、中学3年生の時に「Tag」でメジャーデビューを果たし、2022年1月にはSpotifyが選ぶ2022年に活躍を期待する次世代アーティスト『RADAR:Early Noise 2022』に選出されたシンガーソングライターだ。ダークで内省的なビートの上でたゆたう、ハスキーかつスモーキーな歌声は唯一無二。1st EP『LOOK』をリリース後、高校生になり初めてリリースした「リップル」、Yaffleがプロデュースを手掛けた「チェンジ」とその表現の幅も着実に広げている。

RADWIMPS - KANASHIBARI feat.ao [Official Music Video]

 今年4月には、RADWIMPSの新曲「KANASHIBARI feat.ao」にフィーチャーされ、曲の後半でおよそ1分に渡りソロパートを任されるなど大きな話題を集めた。自身の名義では、「幻想」と最新曲「kioku」ではTARRが、「4ever」ではESME MORIがプロデュースを担当するなど気鋭のクリエーターに愛される才能を持つ彼女。これからどんなコラボレーションを実現し、どんなサウンドスケープを展開してくれるのか期待が高まる一方だ。

 以上、駆け足だが今後の活躍が期待される「次世代の女性シンガーソングライター」を4名紹介した。バックグラウンドも作風も、そして表現のし方も違う彼女たちだが、コロナ禍という逆風の中でもマイペースに活動を続けてきた成果がここへきて表れているように感じる。いよいよ「アフターコロナ」へと時代が移り変わる中、これからどんな作品を生み出していくのか。その動向を今後も見守りたい。

■リリース情報
2nd Single『Another Complex』(読み:アナザーコンプレックス)
2023年11月22日発売
https://somei.lnk.to/chYMTr
・通常盤[CD] ¥1,200(税込)/SMCL-854
・期間生産限定盤[CD+DVD] ¥1,500(税込)/SMCL-855~856 ※アニメ描き下ろしジャケット仕様

【収録内容】
[CD]
01. Another Complex(TVアニメ『僕らの雨いろプロトコル』エンディングテーマ)
02. アイヲアソンデ
03. 消しゴム
04. Another Complex -TV size- ※期間生産限定盤のみ収録

[DVD]※期間生産限定盤のみ収録
TVアニメ『僕らの雨いろプロトコル』ノンクレジットエンディングムービー
©Team KITSUNE/「ぼくあめ」製作委員会

■関連リンク
公式サイト:https://www.somei-official.com/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/somei_nanodayo
somei Official YouTube channel:https://www.youtube.com/@somei_official

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