East Of Eden、百戦錬磨の個性で圧倒した初ステージ “スーパーバンド”として集った5人の新たな物語

East Of Eden、初ステージレポート

 East Of Edenが10月8日、Zepp DiverCity(Tokyo)にて初のワンマンライブ『East Of Eden -World Premiere Special Showcase 2023-』を開催した。

 このバンドは今年8月8日に結成が発表された、バイオリニストのAyasaを中心とする女性5人組ロックバンド。元prediaの湊あかね(Vo)、D_DriveのメンバーでもあるYuki(Gt)、マキシマム ザ ホルモン 2号店ことコロナナモレモモのメンバーとしても知られるわかざえもん(Ba)、Lonesome_Blueでも活躍するMIZUKI(Dr)という、異なるシーンで名を馳せるメンバーが集った、ある意味“スーパーバンド”と呼べる存在だ。そんな彼女たちの初ステージを目に焼きつけようと、チケットは一般発売直後にソールドアウト。のちに2階後方の立ち見席が追加販売されるほどの盛況ぶりを見せた。

Ayasa

 定刻を過ぎ会場が暗転すると、会場内にシンフォニックなSEが流れる中、紫と青のレーザーが飛び交う。すると、メンバーがひとり、またひとりとステージに登場し、最後に湊がステージ中央に立ったところでAyasaが情熱的にバイオリンを奏でる。場内に緊張感が走ったところで、ライブはそのまま「Evolve [Extended Version]」で幕を開けた。激しいバンドサウンドに導かれるように、オーディエンスも力強い声援を送り始める。音源の時点でその圧倒的な歌唱力や演奏技術は十分伝わっていたものの、いざ生で体験してみるとそのパフォーマンス力は我々が予想していた以上のもの。伸びやかでパンチの効いた湊のボーカルを筆頭に、重量感のあるわかざえもん&MIZUKIのリズム隊、ソロパートではスリリングなバトルを展開するYukiのギターとAyasaのバイオリン……それぞれが強烈な個性を放ちつつ、バンドとしてひとつの楽曲を作り上げようとぶつかり合う様からは、初ライブならではの緊張感と前のめり感も受け取ることができた。

湊あかね

 このライブの時点で、East Of Edenとしてはオープニングナンバー「Evolve [Extended Version]」しか楽曲が公開されておらず、以降はどんな楽曲が繰り出されるのか気になっていたが、なんと2曲目以降にプレイされた楽曲群はすべて完全未発表の新曲のみ。ダークさが印象的なアップチューン「Deep Dive」から続く、初めて耳にする新曲たちを前に、観客は新鮮な驚きをあらわにしつつ、その躍動感溢れるバンドサウンドと良質なメロディに対して大きな声援やコールを送り続けた。

Yuki

 多くの楽曲群は「Evolve [Extended Version]」にも通ずるクラシカルで品性の高いハードロックを軸にしているものの、中にはメジャーキーで爽快感の強い「無重力飛行」やゴリゴリのベースフレーズが耳に残るダンスチューン「New Day」、エモーショナルなミディアムナンバー「螺旋回廊」、湊のソウルフルなボーカルを前面に打ち出した「残された果実」、プログレッシブロック的展開を含む泣きのバラード「echo echo」など、統一したトーンの中でバラエティの豊かさをしっかり提示。結成間もないタイミングで音楽性やスタイルがかっちり固まっていないからこそ、いろいろなタイプの楽曲に果敢に挑戦することで、この5人だからこその「色」を確立させようとしているようにも映った。と同時に、これだけ個性の異なる5人が揃っているのだから、何でもできるという自信の表れと受け取ることもでき、今後の音源リリースやライブ活動を重ねる中でどんな変化/進化をしていくのかが早くも楽しみになった。そんなオーディエンスも少なくないはずだ。

MIZUKI

 ライブ後半には、MIZUKIを中心に制作されたインストナンバー「YELLOW CARD」も用意。各パートの非凡なテクニックや表現力を存分に堪能することができたあとは再び湊も加わり、観客とのコール&レスポンスを交えたパワフルなハードロック「花美」、クラップで会場の一体感を高めた「Chasing The Moon」でライブ本編を締めくくり。アンコールではノリの良いビートにスリリングなギター&バイオリンソロが乗った「This Moment」で、湊の艶やかな歌声に合わせてミラーボールが回転する演出も用意された。

わかざえもん

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