SixTONES、初の単独ドーム公演に見る挑戦的な活動の歴史 “絶対王者感”で心を鷲掴みに

SixTONES『慣声の法則 in DOME』レビュー

 SixTONESのライブ映像作品『慣声の法則 in DOME』が11月1日にリリースされる。

SixTONES – 「慣声の法則 in DOME」LIVE DVD / Blu-ray digeST

 この作品は、今年1月から4月にかけて開催された全国アリーナツアー『慣声の法則』の追加公演を収録したもので、グループとして初の単独ドーム公演となったツアーファイナル『慣声の法則 in DOME』が完全映像化されている。3rdアルバム『声』を携えて行われた同ツアーは、SixTONESにとってデビュー以来初めて観客の声出しが許可されたライブであった。そのため本作では自由な歓声による賑やかな雰囲気が、音からも映像からも伝わってくる。

 再生すると、まずは巨大な照明機材が会場を舐め回すシーンから幕開けする。そしてメンバー6人が何かの口のようなものから登場。厳かな雰囲気のなか、アルバムの1曲目でもあるアカペラ曲「Overture -VOICE-」を歌い、瞬時に会場を支配する。これまでもSixTONESはインパクトのある演出でライブをスタートさせてきたが、本作に収められたその映像は、過去の演出と比べても随一のものと言っていいだろう。もちろんこれを生で体感できるのがベストだが、こうして様々な角度のカメラから捕らえられた映像で、じっくりと味わうのもまた格別である。

 序盤の光景は鬼気迫るものがある。デビュー初年度からSixTONESが持つキラーチューン「NAVIGATOR」や、「IN THE STORM」で命を削るように歌唱するメンバーの眼差しなど、高揚感と緊張感がパフォーマンスからひしひしと感じ取れる。「Risky」では会場が妖しいダンスフロアへと変化し、風変わりなムードが全体を覆い尽くす。そんななか、前半のピークと言えるのが、今年SixTONESが手にした新たな方向性の楽曲「人人人」だ。

 ファンキーなリズムの上で繰り広げられる目まぐるしいラップ表現が印象的なこの曲は、SixTONESの6人が平場で発揮するフリーキーなテンションを見事に音楽で表現している。そこからレイドバックしたリズム感が心地よい「Drive」への繋ぎもいい。歌いながらメンバー全員でジープに乗って、会場をゆっくりと周遊する演出も粋だ。

 そして本作の目玉の一つと言えるのが「マスカラ」であろう。この曲の途中で同曲を提供したKing Gnuの常田大希が、ギターを抱えてサプライズで登場し、会場が大歓声に包まれる。そこからステージでSixTONESとともにパフォーマンスしたことで、会場の温度がグッと上昇したのが見て取れる。歌唱後は再度「Drive」で登場したジープに常田を加えた7人で乗り込み、King Gnuの曲を軽くカバーするなどして観客を楽しませた。短い時間ではあるが、この箇所だけでも十分に観る価値があると言える。

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