岩橋玄樹、“ポップスター”としてステージで見せる様々な表情 ZeppツアーはFairyと一緒に作り出す温かな空間に
10月4日神奈川・KT Zepp Yokohamaにて、岩橋玄樹によるZeppツアー『GENKI IWAHASHI TOUR 2023 “I'm A Popstar”』のファイナル公演が行なわれた。
同ツアーは、2ndアルバム『I'm A Popstar』のリリースを記念して9月から10月にかけて開催されたもの。岩橋の現在地を示すような、バラエティに富んだセットリストで会場に集まったFairy(岩橋玄樹のファンネーム)たちの心を鷲掴みにしていた。
開演10分前から、ピンクのペンライトで染まる会場。5分前にもなると、席を問わず観客のほとんどがペンライトを振り「いわち! いわち!」と呼びかけ。BGMが大きくなるに連れて、その声とペンライトの振り幅が大きくなっていくのが印象的だった。
ライブはアルバムのタイトル曲「I'm A Popstar」から開幕。黒地に金色のフリンジをつけたまるで王子様のような衣装にサングラスを合わせた岩橋が登場すると、会場からは大きな歓声が上がった。同曲で、ポップスターとして枠にとらわれない姿を見せることを意思表示したかのような岩橋。続く「Heartbeat」では「みなさん盛り上がってますか〜!」と爽やかに呼びかけ、「SUSPlCIOUS GIRL」では麗しく緩急のあるダンスを披露。「Fortune Lady」では、まるで観客一人ひとりに語りかけるかのように優しく歌って見せた。
ノンストップで4曲を披露した岩橋は、改めて会場に集まったファンに挨拶。その後は、この日の天気にふさわしく雨の日の2人を歌った「Love U」を爽やかに歌唱。光を操る演出を魅せた後で登場した4人のダンサーと「光と闇」で2面性を見せ、ダンスナンバー「Hero」ではオーディエンスのボルテージを一気に上げた。大人びた1曲「Uyamuya」、コールアンドレスポンスを交えた「I Know You Want Me」では椅子を使用して曲の世界観を体現。「How To Love」では、ステージの両端に設けられたスタンドの上に立ち、奥の方まで目配せ。岩橋なりの“愛し方”を伝えるかのような表情で観客へ愛を届けた。
アップテンポなナンバーからスローな楽曲まで6曲を一気に見せた岩橋は、ステージの上に倒れ込みMCタイムへ。ノンストップで全身全霊のパフォーマンスを見せたがゆえに、少々ふわふわとしたテンションのまま会場との交流を楽しんでいた。特に印象的だったのは、岩橋が給水するたびに上がる「かわいい!」の声。観客が直接的にアーティストへの愛を表現する場はなかなかないだろう。これは、その声に「知っているよ」と素直に、そして前向きに応じる岩橋だからこそ成立する関係性のように感じた。また、岩橋が何かを呼びかけるたびに「はーい!」と声を出して返事をするFairyが多数。岩橋1人ではなく、会場に集まったFairyとともにステージを作り上げている様子を感じさせた一幕だった。