Fish and Lips「会いたくなったら」、初のサブスク配信曲がバイラルチャートイン 現役高校生らしい瑞々しいメロディ
「会いたくなったら」は、Fish and Lipsが初めてサブスクリプション音楽配信サービスで解禁した1曲である。9月21日付の同チャートで9位に初登場し、7位まで順位を上げてきた。TikTokでは「#fishandlips」が160万回視聴を突破しており、ヒットのきっかけはTikTokだと想像できるが、面白いのは同曲を使用した投稿動画が、視聴回数に対して少ないことである。「会いたくなったら」はストレートなラブソングゆえ、リリック動画や歌ってみた、カップル動画などの投稿もあるが、それ以上に特筆すべきは “これから流行る邦楽”や“若手バンドの神曲”という楽曲紹介投稿が目立つことだ。楽曲をBGMなどに使うというより、じっくり聴くユーザーが多いということだろう。これは、ライブ中心の活動展開が実を結び、日常的にライブハウスに足を運ぶような熱心な音楽リスナーをすでに獲得しつつある証拠だと考える。
サビメロから始まる「会いたくなったら」は、最初から最後までタイトでキャッチーなメロディが続く軽快なポップチューンながら、頭のサビ終わりの演奏や間奏を長めにとり、バンドアンサンブルをしっかり聴かせるところ、さらには間奏のコード進行やアレンジアプローチの変化で楽曲にメロディとは異なる表情を加えているところに、彼らが思うバンドの在り方を見出すことができる。曲中、何度も出てくる〈会いたくなったら 会いたいなってさ LINEかなんかで教えてよ〉という歌詞は、学生カップルの休み時間や放課後の会話を彷彿させ、瑞々しいメロディをよりピュアな印象にしている。作詞曲を手掛ける西村大地(Gt/Vo)の歌声も芯があっていい。柔らかさが持ち味の声質で声を張って歌うタイプではないが、トーンを一定のボリュームのままキープできる技と、安定したリズム感で歌を主役にできるボーカリストだ。〈LINE〉の“ン”を唇をつけず抜くように歌うなど、テクニックが必要な歌い方をサラリとやっているところに、歌い手としての才能と可能性も感じる。
現在、受験のためにライブ活動休止中のFish and Lips。ライブ活動の再開、そして次なる楽曲をシーンが待っている。
※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-09-27
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