潮紗理菜、ハッピーオーラの中心で届けてきたまっすぐな優しさ 周囲を支えながら憧れを叶えてきた日向坂46での歩み

 そんな潮は日向坂46の“聖母”としておひさまから認知されている。初めて潮の優しさがファンの間で広まったのは、けやき坂46時代の冠番組『ひらがな推し』(テレビ東京系)でのアルバムヒット祈願。バンジージャンプに挑戦しようとするも号泣してしまった河田陽菜に対して、潮が優しく慰めるシーンは強く印象に残っている。『2分59秒』(ABEMA)で佐々木久美が「相談するとなんでもポジティブに変えてくれる。潮がいるおかげでみんな持ち直せるから、そういう存在は大事」と語ったり、現在の冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系/以下、ひなあい)で加藤史帆が「自分が落ちている時にいつも言葉をかけてくれる」と話したりと、彼女の“聖母”エピソードは数知れず。しかし、最近では天然キャラとしても頭角を現しており、影山優佳が『ひなあい』で電車にまつわる衝撃的な天然エピソードを披露したのも記憶に新しい。だが、それは単なる天然ではなく、純粋さと言い換えてもいいかもしれない。まっすぐな心の持ち主だからこそ、他人に優しくできるのだ。

 松田好花は公式ブログで「何でも包み込んで下さる優しくて大きな器に何度も何度も支えられました」(※4)と綴っており、潮の優しさはメンバーの拠り所になっていたようだ。潮も「私は人の感情の動きに敏感で、嫌でもわかってしまうんです。その性質をいい方向に使おうと、おせっかいかもしれないけど、特に二期生と三期生に声をかけるようにしています」(※5)と意識的に後輩をケアしていることを明かしている。アイドルグループである以上、メンバー同士の軋轢はどうしても避けられない。それでも日向坂46からはモットーである“ハッピーオーラ”の空気が伝わってくるから不思議だ。それは潤滑油としての潮の存在によるものが大きかったのではないか。潮の優しさが周囲に伝播していく。きっと潮はハッピーオーラの中心にいたはずだ。

 また、潮は「遠回りしたかもしれないけど、私はいまの自分が一番好きで、一番幸せです」とも語っていた(※6)。決して平坦な道のりを歩んできたわけではないからこそ、その経験の一つひとつが今に繋がっている。それを支えていたのがメンバーであり、おひさまだった。「出会いは一瞬、出会えば一生」――彼女が大切にしてきた言葉の通り、卒業後もいつまでも変わらぬ関係性のままで、潮が新たな道を歩んでいくことを願いたい。

※1:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/52269?ima=0000&cd=member
※2、3:『IDOL AND READ 023』
※4:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/52285?ima=0000&cd=member
※5、6:『Top Yell NEO 2023 SUMMER』

加藤史帆&田村保乃、潮紗理菜&大園玲、富田鈴花&武元唯衣……ラジオから生まれた日向坂46&櫻坂46の名コンビ

日向坂46のラジオ番組『ローソン presents 日向坂46のほっとひといき!』(TOKYO FM)に不定期で櫻坂46メンバー…

日向坂46 潮紗理菜&上村ひなのインタビュー 初の全国ツアーや攻めの新曲「ってか」で深まった自信と絆

初の全国アリーナツアー『全国おひさま化計画 2021』を終え、一段とたくましくなった日向坂46から6枚目のシングル『ってか』が届…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる