日向坂46 潮紗理菜&上村ひなのインタビュー 初の全国ツアーや攻めの新曲「ってか」で深まった自信と絆

日向坂46 潮&上村インタビュー

 初の全国アリーナツアー『全国おひさま化計画 2021』を終え、一段とたくましくなった日向坂46から6枚目のシングル『ってか』が届いた。力強いイントロと歌い出し、印象的な楽曲タイトルや歌詞、VFXを用いた臨場感溢れるMVなど、どこをとっても日向坂46の作品として斬新である。今回は潮紗理菜、上村ひなのにインタビューを行い、コロナ禍の厳しい情勢で初のアリーナツアーを回った手応えや、ニューシングル『ってか』の聴きどころやMV撮影秘話、初センター 金村美玖のことなど、たっぷりと話を聞いた。互いの信頼関係がよく見える掛け合いも楽しんでほしい。(編集部)

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驚きの演出が詰まった初の全国ツアー

ーー9月15日から始まった『全国おひさま化計画 2021』も、この取材時点では折り返しに入り、インタビューが公開される頃には終了しています。潮さんにとってはけやき坂46時代から数えて3年ぶりのツアーになりますが、手応えはいかがですか?

潮紗理菜

潮紗理菜(以下、潮):やっぱりその土地ごとで会場の雰囲気も違いますし、来てくださるおひさま(ファンの総称)の雰囲気も違うので、ツアーでしか感じられないものがたくさんあるなと改めて思います。何より1回だけのライブで完結するものではなく、どんどん成長して次につなげていくような感覚でみんな頑張るので、そこがツアーの良さでもあるなと再認識できました。

ーー上村さんにとっては初めての全国ツアーですよね。

上村ひなの(以下、上村):同じようなセットリストで何回もライブをする経験自体が初めてだったので、すごく新鮮ですし、やりながらより良いものに更新していくことがとても楽しくて。心を込めてライブを作れる楽しさとか、たくさんライブができることへのありがたみも感じました。

ーー僕はツアー初日の広島公演を会場で拝見したんですが、これまでの日向坂46のライブの集大成感がありつつ、新たな試みもたくさん含まれた、最初から最後まで目が離せない内容でした。特にオープニングの演出には大変驚かされました。

潮:そうですよね。初めて「Overture」から始まらないライブだったので、私たちもそれがどう伝わるのか期待と不安でワクワクドキドキしていました。

ーーライブ序盤に衣装替えが何度も続き、そこにも驚かされましたし。

潮:日向坂46史上、一番の着替え数らしいです!

上村:結構な数ですよね。あれは何着あるんでしょうか(笑)。1曲終えたらすぐに着替えて、慌ただしさも今までで一番なんですけど、私たちのいろいろな側面をお見せできたんじゃないかなと思います。

上村ひなの

ーーこのツアーで特に意識しているのはどういったところですか。

潮:このツアーでは、おひさまの皆さん一人ひとりの顔がよく見えるので、できるだけたくさんの方と目を合わせることを大切にして回っていました。皆さんが声を出せない代わりに、スティックバルーンや作ってきてくださったうちわ、推しメンタオルで私たちに思いを届けてくれたり、曲に合わせて体で大きくリズムを取ってくれたりしていて。皆さんが思っている以上に私たちにも伝わっていますし、その分私たちは歌や目線で「ありがとう」を伝えられたらと思っていたんです。

上村:声援がないとおひさまの皆さんが盛り上がっているのかわからない時もあったのですが、会場がひとつになってより盛り上がるように、自分も全力で楽しむしかないなと思って、いつも以上に高いテンションでライブに挑みました。

ーーそのツアーでも披露されている「ってか」についてお話を聞かせてください。ユニークなタイトル含め、この曲についての第一印象はいかがでしたか。

潮:正直な話をすると、不安でした(笑)。「えっ、タイトルが『ってか』?」というのがまず一番で、衝撃的だからこそどう伝わるのかが不安だったんです。でも、その後に曲をいただいたら、すごく新しくて爽快感も強くて、今までの表題曲の中で一番好きかもなって印象がガラリと変わりました。歌詞を見ても、すべての点と点がつながってスッキリして、この曲の世界観がどんどん好きになりました。

上村:日向坂46の曲って、今までも「ソンナコトナイヨ」とか「君しか勝たん」とかインパクトの強いタイトルが多くて、そのたびに驚いていたんですけど、今回はその比じゃないぐらい衝撃を受けて(笑)。しかも、小さい「っ」から始まるのでびっくりしたんです。でも、聴いてみたらすごく良い曲なので、「たくさんの方に届けられたらいいな」という思いがどんどん湧いてきました。

「まるでアイドルのことを歌っているような曲」(上村)

ーー日向坂46の楽曲はデビュー曲「キュン」を筆頭に、女の子の可愛らしさを表現する歌詞が多かったですが、この「ってか」ではちょっと違った女性像が描かれているように感じます。おふたりにはこの曲の主人公はどう映りますか?

潮:私は、最初に聴いたときと今とでは、印象がだいぶ変わりました。最初は自分のことをめちゃめちゃ可愛いと思って自信に満ち溢れていて、上から目線の女性なのかなと思って、共感しにくい部分もあったんです。でも、〈いつも不安げな自分が嫌い〉あたりの歌詞を読んで、きっと本当は強がっていて、繊細で不安いっぱいの女の子なのかなと思ったら、歌詞の見え方が変わってきて。私たちもグループに所属しているので、知らないうちに誰かが決めた物差しで自分を測って、メンバーと比べてしまって落ち込んだり不安になったりすることもあるので、ちょっと気持ちがわかってきて感情が入りやすくなりました。

上村:そう考えると、この主人公の女性はアイドルにも通ずる部分があるなと思っていて。〈可愛いから好きになったなんて/全然 ピンと来ないのよ/もっと内面を見て欲しい〉みたいに“見た目だけじゃなくて中身を見てほしい”という思いとか、〈広い世界で私を選んだ理由/どうしてなのか不思議に思う〉みたいに“たくさんいる中でどうして私を選んでくれたの?”っていう気持ちとか。まるでアイドルのことを歌っているような曲だなと、個人的には思いました。

ーー皆さんの解釈を聞くと曲の響き方がまた変わってきますね。サウンド面でもただ力強いだけではなく、ピアノのフレーズで繊細さも表現されていますし。

潮:そうなんですよね。私たちもツアーを通して何度も披露しているんですけど、聴けば聴くほどいろんな発見があるんです。パフォーマンスにおいても「この歌詞のこの部分は、もっとこういう表情にしたほうがいいんじゃないか?」とか、そういうことも(振り付けの)先生方含めてみんなでいろいろ模索していて、どうしたら「ってか」という曲を完璧に表現できるのか、今までで一番時間をかけて突き詰めているかもしれません。みんなで自信を持って「ってか」の完成形をお見せできるようにしたいと思っています。

ーーダンスも息をつく間がないほど激しく、初めてライブで観たときは圧倒されました。

上村:そうですね、今までで一番激しいと思います。

潮:今までやったことのないタイプのダンスも多く含まれていて、メンバーも今までのシングルの中で一番頑張った曲じゃないかなと思います。

ーーしかも、ツアーでは本編終盤に披露しますもんね。

潮:正直、体力的に疲労のピークで「ってか」を披露するので、まずはメンバー全員揃って最後まで踊り切ることを目標に掲げているくらいなんです。

上村:曲の途中で諦めそうになるくらい体力的にもキツくて。でも、その諦めそうな心を超えることで、1回1回に成長があるんじゃないかと思っています。

ーー「ってか」はMVもかなり凝った内容です。VFXを多用した撮影は、かなり大変だったんじゃないかと思いますが、いかがですか。

潮:そうなんです。「このあたりにニンジンのモンスターがいるよ!」と言われても、「え、どこ?」と全然想像つかなくて(笑)。しかも、人生で一番1日を長く感じる撮影でした。早朝から始まったんですけど、時計を何回見ても朝のままなんですよ(笑)。巨大扇風機でこれでもかっていうぐらい強風が吹く中で踊ったりして、心身ともに極限まで行った中で完成させたので、映像を観たときは感動しました。

上村:強風で砂が飛んできたり、髪がぎしぎしになっちゃったりと、そういうところでの戦いもあったんですけど、何より当日はすごく暑くて。何度もダンスしている最中にフラフラしてしまったんですけど、みんなで声をかけ合いながら頑張ったので、私たちの絆もより深まったんじゃないかなと思います。

日向坂46『ってか』

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