NewJeansの“未完成なティーン像”と日本女性アイドル文化のリンク 異端なコンセプトがK-POPに呼び込んだファン層

NewJeansのヒリつくような表現力への期待感

 世界的なグループでありながら、一方でミン・ヒジンは「未完成なティーン」を意識し、グループとしてもまだまだ成長の余地を残している。そのためファンも「まだ埋まっていないピースは自分たちが……」と思えるだろうし、未完成であるからこそ成長が目に見えて、“親心”も生まれやすい。先述した中高年人気もそういった要素からきていると推察できる。

 また、これは決して比較ではないが、たとえば欅坂46(現:櫻坂46)はメンバーやグループの成長とともに目指すコンセプトがどんどん膨らみ、「サイレントマジョリティー」(2016年)、「不協和音」(2017年)ではそのフレームに収まりきれないほどになり、異様な緊迫感が放たれた。「未完成」ゆえの危うさ、「完成」に近づいたときの表現力の凄まじさは、今もなお鮮烈である。NewJeansも、ミン・ヒジンが話すように「未完成」であるならば、ヒリつくような表現をこれから見ることができるのではないか。

 NewJeansには可能性が詰まりまくっている。多種多様な論考があって然るべきだが、筆者はシンプルにNewJeansの音楽と個々の成長を楽しみながら目撃していきたい。

※1:https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2023/09/-k-pop-1.php
※2:https://turntokyo.com/features/newjeans/
※3:https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2222102

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