稲葉浩志ものまねで話題の南波雅俊アナ、並々ならぬ“B'z愛”を語る 直接会って伝えたいのは「いつも、本当にごめんなさい!」
B’zにはことごとく人生の中で助けてもらっている
ーー毎晩家で「ひとりLIVE-GYM」をやっていた頃を考えると、とんでもないところにまで到達しましたね(笑)。
南波:本当にそうなんですよ。あの頃、近所の方にクレームを入れられなくて救われました(笑)。
ーー放送のたびに反響も大きいんじゃないですか?
南波:確かに反響は大きくて、うるさいと思っている方もいらっしゃると思いますが、『ラヴィット!』のおかげで「観てます!」と声をかけていただくことも圧倒的に増えました。スポーツ実況とニュースというアナウンサーとしての基本は大事にしていくことが大前提ですが、みなさんに知ってもらう機会があるというのは、すごくプラスにはなっていると思いますし、すごくありがたい番組だと思っています。
ーーちなみに、ずっと映像やライブを通して稲葉さんに触れてきた南波さんだからこそ、ものまねするときにこだわっているポイントは?
南波:プロのものまね芸人さんではないので自分がコメントするのも恐縮ですが、歌うときは、稲葉さんを自分に降ろすじゃないですけど、なりきる感じですかね。ただ、シャウトに関しては高音での“がなり”っていうんですかね、そこは意識的にやっています。本来はがなりを入れていないところにも入れたりしていて、例えば「LOVE PHANTOM」の〈♪がまんできない〉を〈♪がまんでき”な”い”〉(※「”」ががなりのアクセント)みたいに、後半の部分にがなりを多用するんです。
ーー生で聴くことができてうれしいですが、これを文字でどう表現するか悩みます(笑)。でも、確かにそのほうが稲葉さんっぽく聴こえますし、よりライブ感が出ますよね。
南波:僕はライブを通してB’zを好きになったので『ラヴィット!』に限らず、B'zの仕事が入ったときは前日にB’zのライブ映像を観まくって、ライブの稲葉さんをイメージしています。
ーーなるほど。ここからはちょっと真面目な内容をお聞きしますが、南波さんはアナウンサーを本業に活躍されているわけですが、その中での「理想のアナウンサー像」はどういったものでしょう?
南波:スポーツアナウンサーとしては「勝負の分かれ目を伝えられるアナウンサー」です。試合には、流れや勝負所がありますが、それを後からの結果論ではなく、リアルタイムで、時には先読みをしながら伝えていく。それが、試合を楽しみに見ている人の興奮やワクワクにも繋がると思うんです。そして、その試合を自分もワクワクしながら実況していく。口で言うのは簡単ですが、そのためには、もっと現場に足を運んで吸収しないといけないし、もっともっと勉強して、深く競技と向き合わなくてはと最近は特に思っています。アナウンサー全般という意味では、「視聴者の感覚からズレないこと」そのうえで「想定外を大事にできる」というのも必要だと思います。
野球中継では「同点の終盤、ノーアウト1塁で下位打線、これはバントの可能性高い」というセオリーは最低限押さえておかないと、実況の内容が視聴者の感覚からズレてしまう。その一方で、解説者は、セオリーとは違う「その人ならではの視点」を持っている可能性もある。その「想定外」の視点こそ、見ている人の興味を引くじゃないですか。で、いまは野球の話ですが、僕がプレゼンを担当している『Nスタ』でも同じことは言えるんじゃないかと思うんです。社会で起きている事象に対して、ベースの知識がないと正確なプレゼンが出来ない。でも、スタジオに来ている専門家の方やホランさんなどメインキャスター陣は「その人なりの角度」でモノを見ている。
だから、プレゼンでは、セオリーを大事にしたうえで、言い方は難しいですが「ちょっとつついてみて」その人なりの角度を喋ってもらうことも大事にしています。スポーツ実況にしろ、報道や情報番組にしろ、上手いと思うアナウンサーは、自分の個性の出すところと、「一歩引いて」あるいは「つついて」周りを生かすというバランスが優れていると思うので、そういう感覚も大事にしていきたいです。
ーーでは、仕事や人生においてB'zから受けた影響とは、どういったものでしょう?
南波:生き方として「手を抜かず、ストイックに向き合っていこう」っていうメンタリティはすごく影響を受けていて、全然足りてないですが、そうありたいと思っています。さっきも挙げましたけど、アルバム『Brotherhood』の「SHINE」という曲の中に〈手ェ抜いて生きたら消えてゆく 脆くてはかない僕らをつつむSHINE〉という歌詞があるんですが、稲葉さんと松本さんは、手を抜かない生き方をご自身の人生を通して体現していると思うんです。あれだけ長年活躍してもなお、B'zは常に新しいことにチャレンジされているじゃないですか。稲葉さんはよく“常に今が最高”と言ってますけど、自分も常に最高を目指せるよう、仕事と向き合いたいと思っています。
ーーB'zを見ていて思うのは、それぞれが常に最高を維持し続けていること。年齢的にはそろそろ下り坂でもおかしくないのに、そこをまったく感じさせないだけの努力を、我々の見えないところでしているはずなんです。
南波:僕もまさにそれを感じていて。稲葉さんもすでに58歳ですが、ライブパフォーマンスも歌も衰えていないし、むしろ進化していると思うんです。本当にすごいことですよ。アナウンサーという仕事に置き換えても、スポーツ実況の世界では80歳になってもやられている人もいる。自分も40代、50代、60代と年齢を重ねていく中でも進化しながら良い放送を出すには、それ相応の努力をしていかないといけないと思います。諦めて手を抜いたら、そこにはいられなくなるというのはどの世界も一緒なので、そこはやっていかなくちゃいけないと思っています。
ーーでは最後に、そんな南波さんにとって“B'z”とは?
南波:なんだろうなあ……人生とともにあるもの、ですかね。生きてきた中で、生活とともにあり、ファン心理として常に追いかけながら走らせてもらっている感覚です。いまだにB'zや稲葉さんが活躍されているのを観て、「もっと自分も頑張らなくちゃ!」という刺激を一方的に受けていますし、ストイックな生き方にも憧れる。
これも、ファンとしての一方的な思い込みですが(笑)、節目節目で助けてもらっている感覚もある。そういうタイミングがあるんですよ。高校野球のときも3年生の夏、僕は「ultra soul」を応援歌にしてもらったんですけど、本当に力をもらって4試合連続完投が出来ましたし、社会人になるときも、面接で松本さんの話が出てきて、熱を持って話すことが出できました。そして、アナウンサーになったいまも、色々な仕事につながっている。B’zにはことごとく人生の中で助けてもらっているし、本当に自分の人生とともにあるものですし、とてつもなく大きな存在ですね。
ーーちなみに、もしB'zのおふたりにお会いできた際にお伝えしたいことって何かありますか?
南波:「いつも、本当にごめんなさい! でも、僕はめちゃくちゃ2人のことが大好きです!」と伝えたいです(笑)。
※1 https://news.yahoo.co.jp/articles/c93d7cf33f8f4523d98b88e8eba26c07c2e1c275