稲葉浩志ものまねで話題の南波雅俊アナ、並々ならぬ“B'z愛”を語る 直接会って伝えたいのは「いつも、本当にごめんなさい!」

 B'z 稲葉浩志のものまねで昨今話題のTBSアナウンサー 南波雅俊。『WBC』(『ワールド・ベースボール・クラシック』)などのスポーツ中継や報道番組『Nスタ』で活躍する一方で、『ラヴィット!』や『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(以上、TBS系)などのバラエティ番組では、稲葉浩志のものまねでお茶の間に笑顔を届ける異色のアナウンサーとしても広く知られている存在だ。

 そんな南波アナは、ただものまねをするだけでなく、ファンクラブ会員になるほどの筋金入りのB'zファンとしても知られている。小学生でB'zに出会い、人生の節目節目でその音楽やライブに励まされ、救われてきたという南波アナ。本インタビューでは、溢れ出る“B'z愛”について熱く語ってもらった。(編集部)

B'zとの出会い〜「Brotherhood」に励まされたNHK岡山放送局時代

南波雅俊アナウンサー

ーー南波さんはいつ頃、どんなきっかけでB'zと出会ったんですか?

南波雅俊(以下、南波):最初は本当に偶然といいますか。小学校4年生の頃だったと思うんですけど、特にファンというわけではなかった母親が通販で金色のベストアルバム(1998年発売の『B'z The Best "Pleasure"』)をたまたま購入したんです。それを家にいるときや移動中にカーステレオでずっと聴いていたのが、最初の出会いですね。

ーーB'zは当時、すでに音楽番組にも出演していましたし、それ以前もいろんなところで耳にする機会はあったんじゃないでしょうか?

南波:それまでは音楽を積極的に聴くというわけでもなくて、それこそ母親が買ってきたサザンオールスターズや井上陽水さんを耳にするくらい。どちらかというと、GLAYとかラルク(L'Arc〜en〜Ciel)のほうがむしろ知っていた感じで、そこまでB'zのことを意識したことはなかったんです。なので、そのベストアルバムが入り口でした。そのあと、小学校でクラスが同じだったB’zファンのケンタくんと仲良くなって、「こんな曲があるんだよ」といろいろ教えてもらったんです。

ーー1998年というと、南波さんが初めて触れた『B'z The Best "Pleasure"』と、銀色のアートワークが印象的な『B'z The Best "Treasure"』が、2作合わせて1000万枚のメガヒットを記録した時期。そこから、本格的にハマっていくわけですか?

南波:はい。ケンタくんに聞いて過去のいろんなアルバムをレンタルしたり買ったりしていたんですけど、その次に当時のニューアルバム『ELEVEN』(2000年)を買ったんですね。そのタイミングにファンクラブにも入会して、西武ドーム(現:ベルーナドーム)のライブ(2001年)にも行って、ここで初めて稲葉さんを生で観て、めちゃくちゃカッコいいなと思って。そのときはステージからかなり離れた席で、ほぼ米粒ぐらいにしか見えなかったんですけど、会場の一体感も含めて子供ながらにすごく感動したんですね。で、その勢いで『Brotherhood』(1999年)を携えたツアーの横浜公演を収めたライブDVD(『once upon a time in 横浜 〜B'z LIVE GYM'99 "Brotherhood"〜』)を会場で購入して。そこからは、過去のアルバムは全部レンタルしましたし、毎日、部屋に閉じこもってライブDVDを観まくりました。

ーーファンになる決定打はライブだったんですね。

南波:そうですね。そこからは毎年のようにライブに足を運んで。日韓ワールドカップ(2002年)の、Aerosmithとのコラボライブにも行って、そのときはすごく席が近かったので、100回くらい稲葉さんと目が合ったと自分に言い聞かせています(笑)。以降もライブに通って、のめり込んでいった感じですね。

ーーライブはCDで聴く以上にダイナミックな演奏と歌が楽しめるし、何より稲葉さんと松本孝弘さんの華やかさを一度生で観たら夢中になっちゃいますものね。

南波:そうなんですよ。先日も稲葉さんのソロライブ(『Koshi Inaba LIVE 2023 〜en3.5〜』)に行ってきたんですけど、やっぱりすごいなと思いましたし。B'zって、1980〜90年代の洋楽ロックをルーツに持ったバンドで、ああいう派手さも踏襲していますし、日本に響くキャッチーな要素含めて魅了されますよね。

ーー南波さんの中で特に思い入れのある楽曲やアルバムとなると、どれですか?

南波:いろいろ考えたんですけど、好きなアルバムでいうと『SURVIVE』(1997年)かな。『The 7th Blues』(1994年)もすごく好きで、中学生の頃にめちゃくちゃ聴いていましたし。楽曲でいうと、『RUN』(1992年)の収録曲「さよならなんかは言わせない」が一番好きですね。

ーー『SURVIVE』って音楽的にも、ハードロック路線とダンサブルなデジタルビートのバランスが絶妙ですものね。

南波:そうなんです。Guns N' RosesとかMotley Crueとかゴリゴリのハードロックに影響を受けていた90年代前半の路線から変化してきて、その良さも残しつつ、原点回帰もあって、独自路線のいい感じの“B'zらしさ”が詰まったアルバムだと思いますね。「ハピネス」とかめちゃめちゃ好きなんですけど。「泣いて 泣いて 泣きやんだら」とかバラードも泣かせる系の沁みる曲が多いですし、「スイマーよ!!」みたいにノリノリの曲もあって、いいですよね。

ーー学生時代はもちろん、お仕事を始められてからもいろんな困難とぶつかったり、落ち込んだりしたときにB'zの曲を聴くこともあったと思います。自分を鼓舞するために聴くB’zの曲って何かありますか?

南波:本当にベタなんですけど、社会人になったばかりのNHK岡山放送局時代は「Brotherhood」(1999年のアルバム『Brotherhood』収録曲)をよく聴いていました。〈朝帰りで疲れ果てた体を 床に投げ出して〉という歌い出しなんですけど、当時の自分とかなり重なるところが多くて。仕事が忙しくて、本当に朝に帰宅してベッドでも寝られないぐらいヘロヘロな状態で、悶々としていたときにリピートしていました。〈どこかであいつがベソかいて どこかでおまえがブッ倒れ どこかでボクがヤケになってる〉っていう、まさにそういう状態だったときに〈Brother 生きていくだけだよ〉〈道は違っても一人きりじゃないんだ〉っていう歌詞に共感して「もういっちょやるか!」と前向きになれたのは、「Brotherhood」のおかげですね。

ーーアルバム『Brotherhood』は自体を通して聴いているだけで、背中を押されるというか「しのごの言わず行けよ!」と言われているような気がして。

南波:わかります。「イカせておくれ!」とか「SHINE」もいいですし。〈手ェ抜いて生きたら消えてゆく 脆くてはかない僕らをつつむSHINE〉ってフレーズからは、それこそB’zというユニット自身が「手を抜かないぞ」という強い意志が伝わりますものね。

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