シャイトープ、バイラルチャートで存在感を発揮 「ランデヴー」が若者の注目を集める理由は?

 TikTokでは8月20日現在、「#ランデヴー」(「#ランデブー」含む)が約4100万回視聴で、「#シャイトープ」も約3400万回視聴を突破しているところをみると、楽曲だけでなく“シャイトープ”というバンドの存在が、若年層を中心に注目を集めているのがわかる。そのきっかけとなったのが、シャイトープのメンバーである佐々木の弾き語りカバー動画だろう。Saucy Dog、マカロニえんぴつ、あいみょん、Vaundy、RADWIMPS、KIRINJI、サザンオールスターズ、尾崎豊、松田聖子、BTS、Oasis……と、ジャンルも世代も幅広いが、どの曲もしっかり自分の歌にしている。Instagramでは定期的にライブ配信を行い、前述したオリジナル曲の弾き語りも披露しているが、その切り抜き動画がTikTokユーザーにより拡散されている。これは、佐々木が歌っていて絵になるボーカリストである証拠でもあろう。TikTokでシャイトープの“歌ってみた動画”や“カラオケ動画”“弾き語り動画”が圧倒的に多いのは、“歌ってみたくなる”キャッチ―さと“(カラオケ動画で)歌えていることを見せたくなる”キーの高さも含んだ、歌い上げる適度な難しさ、そしてメロディと歌詞のマッチングが絶妙で、歌っていて浸ることができる楽曲だからだと考えられる。一度聴いたら肌に残るような、独特の浸透性があるのだ。

 「ランデヴー」は、フォーキーで素朴な趣きもあるメロディが印象的なミディアムバラード。他の曲に比べ譜割りもシンプルだが、佐々木の掠れた声もそのまま生かした消え入りそうなロングトーンと、コーラスアンサンブルの美しさのコントラスト、エンディングへ向けて音数が増えていくクレッシェンドがドラマチックで、秘めたエモーショナルを感じる1曲である。この8月に開催中の東名阪自主企画ツアー『Come Together』が全公演ソールドアウトしたほか、初のワンマンツアー『1st ONEMAN“SEICHI”』も決定したシャイトープ。ライブもできるバンド力を兼ね備えている彼らが、本領を発揮するのはこれからだ。

※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-08-16

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