乃木坂46、明治神宮野球場でのライブが示す意味と深い関わり 初の4日間開催でどんな一歩を踏みしめるのか?
しかし、その裏では計り知れないほどのプレッシャーが井上にのしかかっていることを、『THE TIME,』で見せた安堵の涙が伝えている。与田祐希が自身のInstagramでアップしているツアーのオフショットのなかには、井上を同期の池田瑛紗と思わしきメンバーが優しく抱きしめている一枚があり、昨年の神宮の裏で賀喜を齋藤や秋元、山下、久保史緒里といったメンバーが明るく励ましていた姿を彷彿とさせる(31stシングル『ここにはないもの』初回仕様限定盤収録の特典映像『Making of 真夏の全国ツアー2022 明治神宮野球場』より)。
センターの井上を両脇から支えるのは、賀喜と遠藤。昨年の神宮でのMCで「後輩たちにも繋いでいきたい」と話していた賀喜にとって、井上を近くから見守れること、一緒に愛する乃木坂46を作っていけることはきっと喜ばしいことであり、同時に遠藤にとっても自分を慕ってくれている井上の成長は刺激になるはずだ。
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2014年から始まった乃木坂46と神宮との変遷を辿ると、神宮という場所はいつだって両手を広げてメンバーを歓迎してくれていた。コロナ禍に神宮で歌われた「世界中の隣人よ」のほかにも、白石麻衣の卒業コンサート終演後、1期生を乗せたバスが向かったのは神宮であり、秋元が卒業記念写真集『振り返れば、乃木坂』(幻冬舎)のなかで井上と菅原咲月を連れて行ったのもやはり神宮球場周辺だった。一方で、乃木坂46はキャパシティとしてはさらに上の日産スタジアムを経験し、昨年の神宮公演ではすぐそばに隣接する国立競技場を坂を登り続けるためのさらなる目標の場所として宣言もしていた。ただ、神宮という場所は、乃木坂46にとって変わらない帰るべき場所であり、変わり続ける乃木坂46がその1年の成長を確かめ、新たな一歩を踏みしめる場所としてもあり続けている。
声出し解禁後としては4年ぶりの発声ありの神宮となる今年。「おひとりさま天国」はAkira Sunset・丸谷マナブ・ha-j・遠藤ナオキによる共同作曲に、APAZZIが編曲に加わったEDM楽曲だ。ビルドアップからの〈It’s the single life〉を合図に、ドロップ、つまりはサビへと突入していく盛り上がり方は、すでに公開されているコール動画も相まって、神宮の開放的な野外のシチュエーションと相性抜群。乃木坂46にとっては挑戦であり、祝祭とも言える明治神宮野球場での4日間がもうすぐ幕を開けようとしている。
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