サンボマスター、『“超”究極ベスト』に滲む“らしさ” 伝説の『ROCK IN JAPAN FES. 2005』での変わらぬ姿も
そして、『ROCK IN JAPAN FES.2005』の映像だ。「伝説の」と謳っているにもかかわらず、何がどう「伝説の」なのか、資料にも、公式サイトにも記述がないので、考えてみたい。
当時を思い起こしてみると、2003年7月にイノマーのフックアップでオナニーマシーンとのスプリットシングル『放課後の性春』を出した流れで、当時のレーベルのスタッフであり、その後のマネージャーでもあったMさんから、声がかかったサンボマスターは、1stアルバム『新しき日本語ロックの道と光』を制作し、2003年12月3日にリリースする。
言ってしまえば、当時は地味に、そっと出た、みたいな感じだったのだが、評判が口コミで広がって、注目が集まり始める。僕は『サンボマスターは世界を変える』という単行本を2006年に作ったのだが、その時に行った本人たちのインタビューによると、年が明けて2004年になってから、そのスタッフが「あれ? なんか、売れてるみたいだよ、きみたちのアルバム」と、驚いていたという。
そういえば、当時、僕が属していた『ROCKIN'ON JAPAN』誌の編集会議でも、特にレーベルから猛プッシュを受けたわけでもないのに、何人ものスタッフが「サンボマスターのこのアルバム、いいんです」と絶賛し始めて、あれ、俺だけじゃないのか、こんなにみんなが言うなら、何かやるべきではないか、ということになって、年が明けてから記事を作った記憶がある。
というような具合に、サンボの人気は高まっていき、2004年夏には、『ROCK IN JAPAN FES.』に、LAKE STAGEで初登場。同年大晦日の『COUNTDOWN JAPAN』では、GALAXY STAGEでのカウントダウンの大役を任される。
そして、初めて『ROCK IN JAPAN FES.』のGRASS STAGEに立ったこの日=2005年8月7日は、サンボがロックファンだけでなく世間的に認知された、つまりヒットし、サンボの人気を決定づけた「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」(テレビドラマ『電車男』エンディングテーマ)のリリースの4日後、というタイミングだった。
つまり、フェス内での=ロックシーンでのジャンプアップと、世間一般におけるジャンプアップが、今まさにシンクロしようとしている瞬間だった。という意味で、「伝説の」なのかもしれない。
いずれにせよ、この映像で観られる&聴ける、山口隆(Vo/Gt)と近藤洋一(Ba/Cho)と木内泰史(Dr/Cho)は、そのように急激に変わっていく状況に、まさに立ち向かっている時ならではの、今この場で倒れて天に召されてしまってもおかしくないような、本当に鬼気迫る形相で演奏し、歌っている。なんせ目の前には数万人のオーディエンスが熱狂している、というのは、現在のサンボにとってはよくある状況だが、この当時の彼らは、そんな場で演奏すること自体にまだ慣れていないわけなので。
「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」は、当然、この日のステージでも演奏されている。2コーラス目に入ったところで歌を放棄し、「あんたら、横とか後ろとか見てみなよ! 俺、こんな美しい光景見たことねえぞ!」と叫び、〈悲しい言葉では〉と歌に戻ったところで「悲しい言葉では世界は変わんねえよ! 夢を歌おう!」と絶叫し、「45000人全員で!」と〈愛と平和!〉をコールさせる山口隆。これを観るために、6枚入り初回限定盤を入手する価値はあると思う。
そして。「そのぬくもりに用がある」のイントロで、「おそらくロックイン始まって以来の伝説のライブなんじゃないでしょうか! あんたがたのことを言ってんだよ! 俺じゃねえんだ、あなたがたが伝説なんだ!」と叫ぶ山口隆には、変わらないなあ、と、思ったりもする。
と書いて思い出した、完全な余談。サンボの露出が急激に増えてきた当時、僕が編集担当をしていた作家から、電話がかかってきた。
偶然、テレビで「そのぬくもりに用がある」を歌うサンボマスターを観たそうで、「すごい気になるんだけど。このバンド、何?」と。で、何なのかを説明して、レーベルにつないで、その結果、最初に書いたように、松尾スズキの初監督作品『恋の門』に、サンボマスターが関わることになったのだった。
■リリース情報
『サンボマスター “超” 究極ベスト -全員優勝Edition-』
初回生産限定盤
CD購入:https://smr.lnk.to/sambobestWN
¥6,500+tax 3CD+2BD+ワンマンライブ「全員優勝フェスティバル ~ゴールデンLIVE!~」@横浜アリーナ
CD購入者先行抽選チラシ
≪CD1≫
【サンボマスター・グレイテストヒッツ】
1. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ(アルバムバージョン)
2. 希望の道
3. 世界をかえさせておくれよ
4. できっこないを やらなくちゃ
5. 光のロック
6. 青春狂騒曲
7. ラブソング
8. 歌声よおこれ
9. 君を守って 君を愛して
10. 美しき人間の日々
11. very special!!(アルバムバージョン)
12. I Love You(アルバムバージョン)
13. きみのキレイに気づいておくれ
14. 手紙
15. 全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ(アルバムバージョン)
16. 月に咲く花のようになるの
17. そのぬくもりに用がある (アルバム・バージョン)
≪CD2≫
【日本語ロックの金字塔 & あなたに贈る完全未発表音源】
1. さよならベイビー
2. これで自由になったのだ
3. 熱中時代
4. ふたり
5. 新しく光れ
6. 人はそれを情熱と呼ぶ
7. 週末ソウル
8. 夜汽車でやってきたアイツ
9. 想い出は夜汽車にのって
10. 愛しさと心の壁
11. 新しい朝
12. 朝
13. 愛しき日々
14. スーパーガール
15. 絶望と欲望と男の子と女の子
16. 夜が明けたら Naked
17. あなたといきたい
≪CD3≫
【全員優勝ボーナスDISC : サンボマスター カバー曲集】
1. あの鐘をならすのはあなた
2. NO FUTURE NO CRY
3. 星の数月の数
4. 恋のかけら
≪BD1≫
「映像は君に語りかける」
【ビデオクリップで綴るサンボマスター篇】
1. 美しき人間の日々
2. 月に咲く花のようになるの
3. 歌声よおこれ
4. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
5. I Love You ミュージックビデオ
6. very special!! ミュージックビデオ
7. 「光のロック」ミュージックビデオ
8. 「ラブソング」ミュージックビデオ
9. できっこないを やらなくちゃ~とうまの跳び箱 篇~ミュージックビデオ
10. きみのキレイに気づいておくれ ミュージックビデオ
11. 希望の道 ミュージックビデオ
【日本語ロックの金字塔ライブ篇】
1. さよならベイビー ※ライブ映像from究極ベスト
2. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ ※ライブ映像from究極ベスト
3. 美しき人間の日々 ※ライブ映像from究極ベスト
4. ひかりひとしずく ※ライブ映像from究極ベスト
5. 青春狂騒曲 ※ライブ映像from究極ベスト
6. 二人ぼっちの世界 ※ライブ映像from究極ベスト
7. 君を守って 君を愛して ※ライブ映像from究極ベスト
8. 愛しき日々 ※ライブ映像from究極ベスト
9. ラブソング ※ライブ映像from究極ベスト
10. できっこないを やらなくちゃ ※ライブ映像from究極ベスト
11. 世界をかえさせておくれよ ※ライブ映像from究極ベスト
【10年分の「そのぬくもりに用がある」】
≪BD2≫
全員優勝ボーナスDISC : 2005年8月5日(土) ROCK IN JAPAN FESTIVAL 05 in 国営ひたちなか公園
通常盤
CD購入:https://smr.lnk.to/sambobestTWN
¥4,500+tax 3CD
※初回仕様限定盤のみ、ワンマンライブ「全員優勝フェスティバル ~ゴールデンLIVE!~」@横浜アリーナ
CD購入者先行抽選チラシ封入
※初回盤CD1-3と共通
■関連リンク
サンボマスターオフィシャルSNS
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サンボマスターオフィシャルサイト
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