五条院凌、カバーからオリジナルまで豊かなアプローチで魅了したツアー初日 涙ながらに観客に感謝伝える場面も

五条院凌、ツアー初日レポ

 2021年4月にTikTokを中心に活動をはじめ、今や動画サイト以外にも活躍の幅を広げているピアノ界のニューヒロイン、五条院凌。現在開催中のツアー『So Fabulous Summer Concert 2023』の茨城公演が、7月29日に結城市民文化センター アクロス 大ホールにて行われた。

 定刻、ステージの幕が開くと、ステージ下手にはグランドピアノ、上手にはキーボードが置かれており、中央には大きな薔薇のモニュメントが。らしさ満点のステージに登場した五条院は黒と金のジャケットという華やかな出で立ちだ。深いお辞儀ののちに椅子に腰かけると、ライブは「ARTEMIS~美しきお月光に照らされ、君は何を想ふ~」よりスタート。軽快なタッチによって奏でられる静かで凛とした旋律が会場を包む。随所に挟まれる流麗なフレーズが楽曲を豪華に飾ったオープニングののち、「TOCCATA」に差し掛かると一転、強く鋭いタッチを際立たせながら静かな迫力で魅了した。

「皆様、ご機嫌麗しゅう。本日はお初全国おツアー、初日。お茨城にお降臨させていただきました」

五条院凌 ライブ写真

 特徴的な丁寧な口調でそう挨拶をすると、「ところでみなさま、五条院のことを愛しておりますか?」と問いかける。客席から大きな拍手が返ってくると、演奏したのは「愛して愛して愛して」。可憐でありながらどこか哀愁が漂う、それでいて力強いモチーフが奏でられる楽曲だ。続いてAdoの楽曲「うっせぇわ」をカバーした「おうっせぇわ」、さらに「新時代」のカバーをメドレー形式にして披露。テンポを揺らしながら優美に演奏した「おうっせぇわ」は、静かに怒りをにじませる大人の女性を思わせ、原曲とは印象をがらりと変える。そんな「おうっせぇわ」に混ざる「新時代」の明るい演奏も圧巻だ。そして久石譲「人生のメリーゴーランド」へと、オリジナル曲、カバー曲問わず、細かく華やかな装飾で彩りながら美しい音色を奏でていく。

五条院凌 ライブ写真

 中盤には、「おファンタジーな物語世界を思い浮かべながらお楽しみくださいませ」との言葉ののちにオリジナル曲「Song of Fire~炎の唄〜」、「ILLUSION」、「Rondo~輪舞曲〜」の3曲を続けて披露。幻想的でありながら力強いファンタジックな世界への没入を誘ったのち、レディー・ガガ「Bad Romance」、Bring Me The Horizon ft.BABYMETAL「King Slayer」、ショパン「Etude OP.10,No.12「革命」」など、幅広いジャンルの楽曲を次々に披露していく。優雅なアレンジを軸にしつつも、楽曲のジャンルによってタッチやリズムのアプローチを大きく変化させた演奏でオーディエンスを魅了した。

五条院凌 ライブ写真全景

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