2023年上半期、全米チャートではHIPHOP作品の首位獲得なし 国内で示す存在感は?

 一方、国内のビルボードチャートに目を向けると、2023年上半期の“Hot 100”ではOfficial髭男dism「Subtitle」やBE:FIRST「Boom Boom Back」のほか、TREASURE「Here I Stand」や、LE SSERAFIM「FEARLESS」といったK-POPが首位を獲得した(※3)。また、HIPHOPアーティストでは百足&韻マン「君のまま」がTOP10にチャートインしている(※4)。

 国内チャートでは近年、タイアップやTikTokなどのSNSで頻繁に使用されるもの、または日常でのサントラとなりうる楽曲などがヒットする傾向にあるが、その中にはYOASOBI「アイドル」のようにラップパートが点在するものも少なくない。

YOASOBI「アイドル」 Official Music Video

 加えて、Ralph「Get Back(03- Version)」がYouTubeの急上昇ランキング2位を獲得し、Twitterのトレンドに長時間滞在していたことも記憶に新しい。

ralph - Get Back (03- Version) feat. JUMADIBA & Watson | 03- Performance | From Kanagawa

 これらから日本の音楽シーンにおけるラップ/HIPHOPの存在感はまだまだ伸びしろがあることが推測できる。『高校生RAP選手権』や『ラップスタア誕生』のような若手ラッパーたちが名声を得るための土壌も整っており、リスナーの目に留まる機会も増加傾向にある。併せて、ファンベースを重視した若手アーティストは海外よりも盛んと言える。国内においては今後、HIPHOPやR&BがK-POPやラテンミュージックの盛り上がりに負けず、存在感を示す可能性が大いにあると言えるのではないだろうか。

※1、2:https://www.billboard.com/music/rb-hip-hop/hip-hop-no-number-one-albums-singles-charts-reasons-why-1235350404/
※3:https://www.billboard-japan.com/special/detail/3973
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/122245
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/123712
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/121444
※4:https://www.billboard-japan.com/chart_insight/detail?kind=h100&main=197916&date=2023-03-06&rank_or_point=rank#graph_sort=&rank_or_point=rank&show_week=30

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