NewJeans、Ado、幾田りら、Aimer、中村佳穂、キタニタツヤ……注目新譜6作をレビュー

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はNewJeans「Super Shy」、Ado「向日葵」、幾田りら「P.S.」、Aimer「Resonantia」、中村佳穂「スカフィンのうた」、キタニタツヤ「青のすみか」の6作品をピックアップした。(編集部)

NewJeans「Super Shy」

NewJeans (뉴진스) 'Super Shy' Official MV

 昨年夏にデビューしたばかり、すでに爆発的なファンダムが生まれている5人組ガールズグループ。今月21日に発売される2ndミニアルバム『Get Up』からの先行配信となった今作。チキチキビートと可能な限り音数を引いたトラックというのは近年K-POPの王道だが、ド派手な低音、ゴージャスなシンセ、強気に畳み掛けるラップパートがなく、〈I’m super shy〉を繰り返すかわいらしさが強調されているのが特徴。かといってラブリー路線の曲とも言い切れず、途中からはキックもシンセも本格的なダンスミュージックになっていく。全盛期のUnderworldを彷彿とさせる聴き心地のよさにとろける。(石井)

Ado「向日葵」

【Ado】向日葵

 キャリア最大規模となる全国ツアー『マーズ』を開催中のAdoから新曲「向日葵」が到着。ドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』(TBS系)主題歌としてオンエアされているこの曲は、ゆったりとしたテンポのなかで、温かさ、切なさ、力強さを兼ね備えたメロディが広がるミディアムチューンだ。作詞・作曲はラブソングを得意とするシンガーソングライターのみゆはん。編曲は40mPが担当。向日葵のような存在の“貴方”への憧れと恋心に寄り添い、聴き手を包み込むようなボーカリゼーションは明らかにAdoの新機軸だ。すでに幅広い層のリスナーを魅了している彼女だが、J-POPリスナーにも訴求できるこの楽曲によって、さらに大きなポピュラリティを得ることになりそうだ。(森)

幾田りら「P.S.」

幾田りら「P.S.」Official Music Video

 口癖がうつったり、趣味や考え方に影響を受けたり。幾田りらの新曲「P.S.」は、人を好きになったときの“つられる”感覚を言葉、メロディ、サウンドにバランスよく置き換えた、華やかで愛らしいポップナンバーだ。岡田将生・清原果耶のW主演による映画『1秒先の彼』主題歌として書き下ろされた楽曲は、清原演じる主人公の一人、麗華とリンクさせながら、恋愛の切なさや優しさを織り込むことで普遍的なラブソングへと導いている。指を鳴らす音を取り入れたり、大サビでは3拍子に移行するなど、リズムの変化もこの曲の魅力だろう。軸を担っているのはもちろん、幾田りらの歌。心地よいリズムとファルセットを交えた表情豊かなボーカルからは、シンガーソングライターとしてのさらなる進化が伝わってくる。(森)

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