『ラヴィット!』ファミリーのバトンは井上梨名から大沼晶保へ 櫻坂46の“バラエティ担当”に受け継がれるDNA

 そんな井上のバトンを受け取って、「ラヴィット!ファミリー」木曜日担当に就任したのが大沼だ。2022年以降じわじわと単独でのテレビ出演も増えていき、2023年は『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日系)や『今夜はナゾトレ』(フジテレビ系)に出演。『今夜はナゾトレ』で大沼が大好きだというMCの上田晋也(くりぃむしちゅー)の例えツッコミを披露した際には、上田に「あの子共演NGね」と言わしめ、大きな爪痕を残した。

 漁師の娘であり、昨年12月には二級小型船舶操縦士免許を取得したことを明かした大沼。同期の藤吉夏鈴からは「大不思議」というキャッチコピーをつけられるなど“不思議ちゃん”な印象のある大沼の魅力は、なんと言っても予測不可能性だろう。遡れば、欅坂46時代の冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京)での企画「運動能力チェック」の反復横跳びにも表れていたが、大沼がブレイクを果たしたのは『そこさく』の企画「櫻坂46 三つ巴バトル!後半」においてのこと。目隠し状態で出番を待っていた大沼が不自然な前傾姿勢を取ったことでスタジオは爆笑に包まれた。これをさらに面白くしているのは大沼が無自覚でやっているということだ。他にも「ジブリ映画を被らずにフリップに書け」というお題に対してホワイトボードいっぱいの大きな文字で「ダンゴムシ」と書いたり、ゲストの大久保佳代子と「叩いて被ってジャンケンポン!」対決を行った際には遠慮せずに思い切りハンマーを振りかざしたりと、予測不可能な笑いを提供してきた。

 今回の『ラヴィット!』では、「『セットとか壊さないように気をつけなさい』って言われました」と井上からアドバイスをもらったことを明かすと、川島に「全然ぶっ壊していただいて結構です。すぐ直しますから」と返され、初っ端から笑いを取っていた。さっそく電気イスの洗礼を受けた大沼はあまりの衝撃から前方に突っ伏すように倒れ、共演者から「スーパーカーみたい」とツッコまれるなど、初回放送にも関わらず“大不思議”な魅力を発揮。最初から想像以上の弾けっぷりで驚かされた。川島ら共演者の櫻坂46メンバーに対する期待のハードルが大きくなっているにも関わらず、それを超えてくる大沼はさすがと言うほかない。すでに共演者には大沼の人物像が伝わっただろうし、今後はより自分の個性を出しやすくなるだろう。個人的には大沼渾身の“沼ソング”をぜひスタジオで披露してもらいたい。

 『ラヴィット!』のレギュラーを通して、櫻坂46のバラエティ力がフォーカスされる機会が増えるのは嬉しいことだ。井上と大沼の二人は櫻坂46が芸人とコントを披露する番組『サクラミーツ』(テレビ朝日系)にもレギュラー出演しており、芸人との絶妙な化学反応を見せている。『ラヴィット!』出演が、櫻坂46の飛躍につながることに期待したい。

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