米山舞、おむたつ、tamimoon、夜宮さてこ、そおの……個性が光る! 音楽シーンで今注目すべきイラストレーター5選

 イラストレーターや絵師がフィーチャーされるきっかけとなった一因に、初音ミクの存在があるだろう。動画サイトにてイラストと音源が一体となったMVが投稿されるボーカロイドシーンでは、一枚絵のほか、高度なアニメーションMVも使用されるようになった。ほかにも、イラストを自身のビジュアルにして活動するVTuberやエンタメユニット・すとぷりをはじめとした歌い手グループが興隆するなど、特にネットシーンにおいて自己を視覚的に印象付けるうえでは、イラストが必要不可欠といえる。

 アーティストに多大なインスピレーションを与えるとともに、作品の自由度を格段に上げる可能性を持ったイラスト。イラストレーターやアニメーターの需要が急増している昨今、新進気鋭の5人の絵師を取り上げる。

米山舞

YOKU - Eve MV

 米山の描くイラストは、アニメ制作会社での経験が生きている。彼女の画力の高さを感じる代表的な作品は、ロンドン サーチ・ギャラリー『START ART FAIR 2021』に出展した花とともに少女が変化していく16枚の集合作『00:00:00:00』(シーケンス)。光や影を取り入れながら、揺らぐ繊細な仕上がりになっているのが特徴だ。リアルな日常の瞬間を切り取った米山のイラストは、静止画とは呼べないほどの瑞々しさを放つ。加えて、もっと知りたいと思う欲を掻き立てる。なかでも、監督、キャラクターデザインなどを担当したEve「YOKU」のMVは、モノクロの世界から色づいていく瞬間がドラマチックな純度の高い作品。

おむたつ

DECO*27 - ラビットホール feat. 初音ミク

 若い世代に人気なアーティストのMVを多く手がけているおむたつの作品は、10代の少女を描いていることが多い。音楽ユニット・ツユの「くらべられっ子」のMVでも見られる目元に悔しさを滲ませた少女や、DECO*27の「ラビットホール」のMVでも見られる甘い蜜に毒を隠した少女、色とりどりな初音ミクなど、それぞれの少女が個性的かつ存在感がある。このポップな色使いは特徴のひとつだろう。少女の表情に浮かぶ感情がまるで自分の感情だと錯覚してしまうほどに強烈なギミックがあるのがおむたつのイラストの魅力。独特のカラーを持つ楽曲と相性が抜群で、その相互作用のもとで、‟最強”と呼べる作品が生まれる。

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