INI、掛け声動画も話題の「FANFARE」がバイラルチャート首位に 荒々しさと美麗な歌声が織り成すコントラスト
Viral Chart Focus
Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの6月7日付のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:INI「FANFARE」
2位:トンボコープ「Now is the best!!!」
3位:Conton Candy「ファジーネーブル」
4位:Lil Durk「All My Life (feat. J. COLE)」
5位:BUDDiiS「Magic」
6位:Halle「Part of Your World (From『The Little Mermaid』)」
7位:チョーキューメイ「貴方の恋人になりたい」
8位:MAZZEL「Vivid」
9位:めぐみん(高橋李依)、ゆんゆん(豊崎愛生)「JUMP IN」
10位:SKRYU, WAZGOGG, Fuma no KTR「How Many Boogie」
今週は1位となったINI「FANFARE」を取り上げる。
リリースごとに各チャートで圧倒的な強さを見せるINI。2021年はデビューシングル『A』収録の2曲が、いきなりバイラルチャートの1、2位を独占し(※2)、その後も2ndシングル『I』収録の2曲がトップ10内に同時にランクイン。そのうち「Call 119」は首位を獲得し(※3)、続く3rdシングル『M』のタイトル曲「Password」と共に2022年に国内で最もシェアされた楽曲の3位・4位となった(※4)。また全シングル、並びにアルバム『Awakening』、ライブDVD『2022 INI 1ST ARENA LIVE TOUR [BREAK THE CODE]』がオリコンチャートで1位を獲得している。
オーディション番組出身のダンスボーカルグループは、デビュー前から視聴者を巻き込むことで、揺るぎないファンダムを形成するのが定石となっているが、その後、ファンダムをどう楽しませるか、動かしていくかが、トップアーティストへの絶対条件であると考察する。つまり、どれだけファンファーストな活動に取り組めるか、だ。INIは“MINI”と呼ばれるファンを楽しませるために、オフィシャルSNSを非常にうまく使っている。メンバーソロではSNSをやっておらず、グループのSNSだけに絞ったことで、ネタの分散化がなく、ゆえに更新頻度が高い。その内容は、MVの切り出し動画から自らの曲をBGMに使ったゲーム動画までと、じつに多彩で、プライベートも垣間見られるゆえに“毎日チェックせずにはいられない”というファン心理にコミットし、MINIの日常に入り込むことに成功している。INIがファンに向けアクションを起こし続けているからこそ、ファンは彼らに対する熱量をキープし続けているのだと思う。その結果が前述した記録の数々である。
そんな彼らが5月24日にリリースした4thシングル『DROP That』のタイトル曲「FANFARE」は、6月5日付の本チャートで初登場4位にランクインし、次の日から首位をキープしている。同曲で見せたアクションは、INIにとって初となる「CHEERING GUIDE」という“ファンの掛け声”動画であった。ペンライトを持ちノリノリでコールするメンバーの様子(それぞれがペンライトの扱いでも個性を発揮)もぜひご覧になっていただきたい。