10周年迎えるBTS、魅力の源にあるメンバーの多様な個性 世界中のファンを魅了する理由を分析

JIMIN、JIN、JUNG KOOK、V……スキルと個性を発揮するパフォーマンス

 パフォーマンス面で言えば、前述のラッパー3名が韓国国内でも抜きんでたスキルを持っているのはもちろんのこと、各メンバーがボーカルやダンスにおいても高い実力を兼ね備え、個性を発揮している。

[CHOREOGRAPHY] BTS (방탄소년단) ‘ON’ Dance Practice

 ダンスにおいては、やはりJ-HOPEとJIMIN、JUNG KOOKの持つ方向性の異なる表現力に注目したいところ。J-HOPEは幼いころからダンスの実力を鍛え、コンテストで優勝した経験もある人物。特にストリートダンスを得意としており、BTSのパフォーマンスにHIPHOPのエッセンスを加える鍵となるメンバーと言っても過言ではないだろう。一方でJIMINのダンスは、パワフルでありながらも、繊細さと高い芸術性を兼ね備えている点が特徴。現代舞踊を学んだバックグラウンドを活かし、BTSのダンス表現の幅を広げるのに一役買っているメンバーだ。そして、アメリカでダンスの短期留学を経験したこともあるJUNG KOOKは、体幹の良さを活かしたキレのあるダンスを得意とするメンバー。多くの人の耳にスッと馴染む表現力豊かな彼のボーカルに、このダンスの実力が加わり、多くのファンを惹きつけるパフォーマンスが完成している。

The Planet

 ボーカルについては、JUNG KOOKだけでなく、JIMINとJIN、Vの個性豊かな魅力が存分に発揮される領域と言えるのではないだろうか。JINのどのような楽曲も表現できるクリアで伸びやかな歌声は、BTSの歌を支える要。一方でVとJIMINは特徴的な歌声の持ち主で、彼らのボーカルによって楽曲にさまざまな色が加わる。若干ハスキーな中低音域を得意とし、落ち着いた雰囲気をまとったVのボーカルは、映像を見ずとも彼のものだと分かる唯一無二の音色を放つ。透明感ある高音域を得意とするJIMINのボーカルは、“キングオブポップ”を思わせるような歌唱力が印象的で、豊かな表現力で楽曲に華やかな魅力を添えてくれる。

 このように多様な個性が集まり、メンバー同士がお互いを尊重し合いながら化学変化を起こすことで、グループとしての魅力をつくりあげているBTS。本稿で取り上げた切り口以外にも、さまざまな観点から個性や魅力を分析することができ、BTSの奥深さは語ればキリがない。だからこそ、世界中で多くのファンに愛されるグループへと成長してきたのだと考えられる。

 BTSは今後、6月9日にARMYへの感謝の気持ちを込めた完全体での新曲「Take Two」のリリースを控えているほか、毎年恒例のファンと楽しむイベント『2023 BTS FESTA』、6月9日~13日には東京や大阪など5都市でデビュー10周年を記念する展覧会『BTS 10TH ANNIVERSARY EXHIBITION』も開催される予定だ。改めてBTSのこれまでの歩みを振り返りながら、彼らの今後に思いを馳せるのも良いかもしれない。

※1:https://mi-mollet.com/articles/-/38480?per_page=1

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