King & Prince 永瀬廉、体制変更の狭間に見せた覚悟と決意 ストレートな言葉で照らした明るい未来
新体制での活動について、ファンの間でも色々な想いがあるだろう。それでも「ありがとう」と言ってくれるファンの優しさに「ありがとうじゃないよね。こっちですよ。半年間も辛くて、苦しかったやろうに……ダメですよ。こっち側にありがとうって言うのは。“おい、感謝の気持ち足んねぇぞ!”ぐらいのスタンスでいて欲しいわ」と思いを吐露する。きっとそのくらいの厳しい声を浴びせられていたほうが、永瀬も気を張り続けてラジオ収録に挑めたのかもしれない。なぜなら誰よりも「なんでだよ」と思っているのは、永瀬ではないかと思うからだ。たくさんの話し合いを経て、それぞれの道に進むメンバーを応援するという心持ちに落ち着いたとはいえ、永瀬の中にどうしてもKing & Princeとして思い描いていた姿を、どこかで諦めきれない気持ちがあるように思えてならない。
それは、3人の脱退が発表された直後、2022年11月10日にオンエアされた同番組でのこと。「俺としてはKing & Princeっていうグループをどうしても残したかったし。コメントでは“守っていきたい”とは言っていたけど、そもそも大好きだった6人だったころのグループも、(2021年3月に脱退した岩橋)玄樹のこともそうだし、今回脱退していくじん、岸さん、紫耀のことも、言うたら守れんかったわけで……。何が守ってくやねんとかさ、自分が判断したことやけどわからんくなったりとかしてさ……」という言葉に、どれだけの葛藤があったのかと想像して苦しくなった。「玄樹がいて、紫耀がいて、じんがいて、岸さんがいるKing & Princeが、ファンの人もそうやけど好きやった……から。来年5周年を迎えるけど、5、6、7、8、9、10年。ずっとくだらんことをして笑って。そういう姿を見てもらっていつまでたっても“バカだな”とか“ガキだな”とか思われながら、活動していくんやろうなと思っていたから……」と涙ながらに語った言葉に、そこまで語らなくてもとさえ思った。
しかし、ここまで本音をさらけ出すことで、自分自身を奮い立たせていたのではないだろうか。5人の、ひいては6人のKing & Princeが確かに存在していたことを示し続けたい。それぞれが選んだ道の先で活躍したときにも、いつだって始まりの場所として振り返れるKing & Princeがあるように。永瀬が必死で守ろうとしているのは、そんないつかの待ち合わせの場なのかもしれない、と。
ファンの反応が辛くて、スマホも見られなかったと話していた昨年の11月。それから半年間、全力で走り抜けた5人との絆、そして想像以上に寄せられた心温まる反響……。そしてラジオ収録を通じて気持ちをじっくりと整理しながら言葉を紡ぎ、改めて覚悟を決めたように見えた。
「俺の感覚やけど、楽しいことは絶対待ってる」「長い時間を過ごして思ったけど、それぞれの選択が正しかったっていうふうに思わせられる力のある人たち」「安心して好きな人の後をついていってもいいんじゃないかな」とメンバーの可能性を信じる言葉を、そして何よりファンが安心して応援できるような言葉を投げかけた永瀬。そして、「全員で幸せになりましょう!」とも。
大きな変化を受け入れるのには、時間がかかる。実際、5月23日に永瀬と髙橋が「CDデビュー5周年記念」と題して生配信を行なった際には、どうしても5人のワチャワチャを思い出してしまい“寂しい”という声も多く見受けられた。そう思ってしまうのは、それだけ5人のKing & Princeの時間が素晴らしかった証拠。
そして、きっと新たなKing & Princeの時間もまた5年後、10年後にはそう思えるようにしてくれることだろう。こうして涙ながらに本音を語り、ファンと向き合っていく姿勢を貫く永瀬の言葉に、未来が明るく照らされていくような気がした。
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