YOASOBI「アイドル」がTikTokなど多数チャート席巻 実験性&らしさで『【推しの子】』の物語を彩る新基軸
Billboard JAPANの「TikTok Weekly Top 20」は、TikTokにおける視聴数のみならず、楽曲がどのように使われて視聴されているのかを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの5月17日付のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:YOASOBI「アイドル」
2位:メイ・スティーブンス「If We Ever Broke Up」
3位:星乃夢奈「男の子のために可愛いわけじゃない!」
4位:LOM & S-Liam「SECRET NIGHT」
5位:HoneyWorks「可愛くてごめん feat. ちゅーたん(早見沙織)」
6位:FIFTY FIFTY「Cupid - Twin Ver.」
7位:JISOO「FLOWER」
8位:P丸様。「ガチやべぇじゃん feat.ななもり。」
9位:こっちのけんと「死ぬな!」
10位:HoneyWorks「可愛くてごめん feat. かぴ」
ショート動画プラットフォーム TikTok上での楽曲人気を測るBillboard JAPANの「TikTok Weekly Top 20」。TikTokならではのヒット曲からプラットフォームを問わずあらゆるメディアで一大旋風を起こしているヒット曲まで、さまざまな楽曲がランクインする今週のチャートをチェックしていこう。
まずはTikTokらしいランクイン作品に注目したい。HoneyWorksによるキャラクターソングの「可愛くてごめん」は自己肯定感の高いポジティブさも相まって、TikTokではメイクアップ動画をはじめ、ダンス動画などさまざまな動画に引用されている。今週は、昨年先行してヒットした歌い手 かぴの歌唱バージョンとあわせて、登場キャラクター 中村千鶴(ちゅーたん)バージョンとして声優の早見沙織が歌唱した「可愛くてごめん feat. ちゅーたん(早見沙織)」もチャート5位にランクインしており、まだまだ「可愛くてごめん」の勢いにかげりが見えない。また、楽曲を早回ししてハイピッチにリミックスする世界的なTikTokトレンドが反映されているのが、FIFTY FIFTY「Cupid - Twin Ver.」のスピードアップバージョンだ。このバージョンは、公式音源ではないもののトップ20圏外の原曲を超える6位を記録している。そして、今週2位にランクインしているイギリスのシンガーソングライター メイ・スティーブンスの「If We Ever Broke Up」も、ハートの形を手で象る印象的な振り付け動画の拡散引用がヒットの足がかりとなった。
このようにチャートの特性上、TikTokでのトレンドに紐づいた、いわゆるTikTok発のヒット楽曲のランクインが多く見られるなか、首位を獲得したYOASOBI「アイドル」のヒットは、TikTokはもちろんそれ以外のプラットフォームやメディアも巻き込んだ一大旋風になっている。同曲は、テレビアニメ『【推しの子】』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマ。もちろん、今作も作詞・作曲・プロデュースを務めるのはAyaseだ。チャート成績を見てみるとTikTok Weekly Top 20での首位獲得だけでなく、Billboard JAPANのダウンロード・ソング・チャートやオリコン週間デジタルシングルランキング、オリコン週間ストリーミングランキングでも首位を獲得(ともに5月17日公開分)。そして、再生回数においても、オリコン史上最速の登場5週目で累積再生数が1億回を突破している。加えてYouTubeに投稿された公式MVも、公開から約1カ月で1億回再生を突破しており、今現在もその再生回数は増加し続けている。