ExWHYZ、初の武道館ライブで届けた堂々たる決意 EMPiREとしての歩みも背負って立った“新たなスタートライン”

 その後、引きも切らない拍手と「アンコール!」の声に呼ばれてステージに戻ってきた6人。鳴り出したのは、もはやちょっと懐かしいあの曲だった。EMPiREの「MAD LOVE」。まさかここでEMPiRE時代の曲を披露するとは思っていなかったので驚いたが、それはオーディエンスも同じだったのだろう。マスターたちは瞬時にして“エージェント(EMPiREファンの総称)”に戻り、それぞれのパートに全力で合いの手を入れる。当然だが、ものすごい盛り上がりだ。今まさに新しい道を歩み出そうとしているところで過去の曲をこうしてパフォーマンスするということには、もしかしたら躊躇もあったかもしれない。正直言えば、個人的には「ああ、やるんだ」と少しだけ思った。だがその盛り上がりを目の当たりにして、これはこれでいいのだとも思った。それは「やっぱりこれだよね」みたいなことではなくて、「EMPiREとして積み重ねてきた歴史の先にこの武道館はある」ということを示す意味でも、「これからExWHYZとして、EMPiREとしての自分たちも含めた過去を超えていかなければならない」という意味でも、ここでEMPiREが作り上げてきたファンとの絆を再確認するというのは大きなことだと感じたからだ。

 そんな「MAD LOVE」を経て、メンバーそれぞれが客席に語りかける。mahoは「心の底から楽しいと思えている。武道館での一歩がこの先のExWHYZの原動力です」と言い、midorikoも「ExWHYZとして大きな一歩を踏み出せた。でも、まだまだ進んでいきたいと思っています」と決意を表明。nowも「私たちにとって大切なファーストステップになった。もっともっと大きくなって、みんなとたくさんの景色を見たい」と未来に向けた思いを口にした。yu-kiは「今が一番楽しい!」、mikinaは「想像を遥かに超えて最高です!」と喜びを爆発させている。そして最後に、mayuが次のように話した。

「EMPiREからExWHYZになった過程があったからできた武道館だった。それがよかったのか悪かったのかは、きっと人によって違う。でも私は今感じているこの気持ちを信じて、正解だったと証明していきます」

 その言葉は、ここに辿り着くまでには複雑な思いがあったことも窺わせた。そう、名前も変えて、スタイルも変えて、新しい姿に生まれ変わって歩き出すというのは並大抵のことではない。だが彼女たちはこの武道館でExWHYZとしての力とポテンシャルを思いっきり表現し、自分たちで“正解”だと言い切った。それはとても勇気のいることだ。いろいろな気持ちが溢れ出したのか、最後に披露された「Everything」では感極まって涙を流すメンバーもいた。それは“やり切った”というよりも、“ここから始められる”という思いの発露だったに違いない。この大きな“第一歩”から、ExWHYZの長い旅は始まっていくのだ。

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