WENDY、ロックスターの風格漂う要注目な若手4人組 『Showcase Live』に見た天賦の才とピュアな音楽愛

Paul

 ハードロック系で飛ばした4曲のあとはSkyeがいったんハケてインストへ。ユニゾンの使い方やオリエンタリズムにLed Zeppelinの影響が窺える。そして6曲目はダークなミドルテンポ。バラードほどベタではないが、ぐっと盛り上がるサビでSkyeに初めて強烈な色気を感じた。まだ19歳、どこか幼さの残る笑顔を振り撒いているが、こういう影のある曲をもっと聴いてみたくなる。一方で、泣きのソロを披露しながらも、ギターを弾くのが楽しくて仕方ない! といった表情を丸出しにしているPaulの存在もいい。ティーンエイジャーだけの輝きだ。気づけばステージ前には若者たちの拍手や歓声が溢れているのだった。

 褒めてばかりは胡散臭いので、正直な不満点も書いておこう。演奏技術がまだまだ足りない。顔が髪に隠れたまま淡々とベースを弾いているJohnnyはもっと自分を出していいだろうし、リズム(ドラムとベースだけの話ではなく、リフの正確さ、無駄に伸ばさない歌い終え方など)をいっそう引き締めたほうが説得力は上がるはずだ。それらは練習でカバーできるとして、もうひとつ、「いかにもハードロックの型」に早くからはまりすぎているのは気になってしまう。もっとパンキッシュでも、もっと破天荒でもいい。技術の話をした後に矛盾しているようだが、基礎を押さえた後に爆発する何かを、これからに期待したい。

Johnny

 リリースされているシングル曲は今のところ4曲。そのうちの最新シングル「Pretty in Pink」は、プロデューサーに、グラミー賞の受賞歴を持ち、このために来日したというマーク・ウィットモアを迎えた曲である。この日披露されていたほとんどの未発表曲は、彼とのセッションで生まれた新曲であるらしい。ラストに配置された「RUNAWAY」は次に登場する5thシングルで、爽やかなメロディがまっすぐ響くロックナンバー。国籍を問わないポップネスが確かにある。こういう曲が日本から世界に羽ばたく日が来るだろうか。

 このライブで披露した全11曲は、8月にアルバムになって届く予定。同月25日には東京・SHIBUYA CLUB QUATTROでのワンマン公演も用意されているという。大きく出たなぁと思うが、今のシーンで誰もやっていないことは、やった者勝ちの試金石でもある。これだけ他と違う、時代の普通と違うのは絶対にいいことだ。Skyeのピュアな笑顔には、そんなことを言いたくなる何かがあった。

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