マネスキン、初の日本ライブで豊洲PITを揺らす 単独公演だからこそ生まれた熱狂の一夜

マネスキン、単独公演レポ

 『SUMMER SONIC 2022』に出演するため初来日したマネスキンが、それに先駆け、8月18日に東京・豊洲PITで単独公演を行った。グラマラスでオーセンティックなロックを、ファッショナブルなコスチュームとパフォーマンスで見せるこの4人組は、2400人のオーディエンスを熱く濃密なライブで魅了した。

 メンバーはダミアーノ・デイヴィッド(Vo)、トーマス・ラッジ(Gt)、ヴィクトリア・デ・アンジェリス(Ba)、イーサン・トルキオ(Dr)。ローマ出身の彼らは高校生の時にバンドを組み、2017年にEP『Chosen』でデビュー。翌年には1stアルバムがイタリアのヒットチャート1位を獲得、ヨーロッパツアーを成功させた。その後も着実に実績を伸ばし、2021年『ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2021』で優勝、大西洋を渡り『アメリカン・ミュージック・アワード2021』にも出演。そして今年4月には世界中の音楽ファンが注目する音楽フェス『コーチェラ・フェスティバル』に出演した。この配信でのパフォーマンスを見た人も多いことだろう。

 そんな現在の勢いを感じさせるオープニングだった。待ちかねたオーディエンスのハンドクラップが鳴り響く中、ステージに現れた4人は「ZITTI E BUONI(ジッティ・エ・ブオーニ)」からショウをスタート。いきなりの代表曲に熱狂するオーディエンスを前に、ダイナミックなサウンドを響かせながらパワフルに動き回る4人は圧巻だ。ボーカルはもちろん、プレイヤーと一体となった楽器の音一つひとつが存在感を持ってフロアの隅々まで届いてくる。結成当時はストリートで演奏していた彼らの底力を感じさせる演奏だ。

 トーマスのギターソロに乗ってオーディエンスとコミュニケーションをとりながら、ダミアーノは「Amazing!」と叫んだ。

 CDやMVで聴き慣れたものより骨太なバンドらしさを感じさせる演奏で「IN NOME DEL PADRE(イン・ノーメ・デル・パードレ)」「MAMMAMIA(マンマミーア)」と人気曲を続けて披露し、バンドもヒートアップしていく。ダミアーノは「Tokyo! Put your hands up!」「Jump!」と何度も呼びかけフロアを揺らし、ヴィクトリアが長い髪をなびかせてステージを飛び回った。

 「Hallo、TOKYO! こんばんは! 元気ですか?」。最初のMCで飛び出した日本語での挨拶にオーディエンスが喜びを示すと「Are you Fun?」などと呼びかけ、「BEGGIN’」のイントロをダミアーノはゆっくりアカペラで歌い出した。そこにバンドが入ってテンポアップし、ダンサブルなナンバーとなっていく。デビューEP収録のThe Four Seasonsのカバーである「BEGGIN’」も、彼らの代表曲のひとつだ。国や世代を超えて彼らが人気を得ているのは、こうした選曲センスも影響しているように思う。いつの間にかヴィクトリアはブルーのジャケットもブラウスも脱いでボディスーツ姿になっていた。

 次の「CORALINE」もダミアーノがアカペラで歌い始め、トーマスがギターを重ねたところにベースとドラムが入り込む、じっくり聴かせるバラードに。再びダミアーノとトーマスだけの演奏になるドラマチックなエンディングが印象的だった。

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